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Rosemary's Baby
ローズマリーの赤ちゃん (1968) USA 137min.
Introduction 序盤アウトライン
1965年、ニューヨーク。マンハッタンの古いアパートメントへの引越しに踏み切ろうとしていた俳優のガイと妻のローズマリーだったが、2人はローズマリーの世話をして来た初老の童話作家ハッチとの夕食の席で異様な話を耳にする。それは、第二次大戦を経た現在では大勢の人々が暮らすようになったそのアパートだが、子供の肉を貪ると云う姉妹や悪魔を呼び寄せると云う霊媒師などが住む悪魔教信者の巣窟として近隣住民とのトラブルが発生した20年代の頃は、空き家同然になっていたと云う話だった。やがて、ハッチの懸念を他所に引越しも終えた2人は、夜毎耳にする呪文のような囁きに違和感を覚え始めていた頃、同じ階に住む世話好きなカスタベット夫妻の養女が自殺を遂げると云う事件を目の当たりにするが、その一方では、カスタベットとの交流を深めていたガイのもとには、1本のTVコマーシャルへの出演だけに甘んじていた鳴かず飛ばずの境遇を塗り替える大きな仕事が舞い込むようになっていた。そんなある頃、かねてから切望していた第一子の懐妊と云う事実に心を躍らせるローズマリーだったのだがーー
Various Note メモ
悪魔教の信者たちが住むアパートで新生活を開始させてしまった若妻ローズマリーが、第一子を身篭っての妊婦として過ごす緊迫の数ヶ月間を描くシナリオ。ポランスキーによって書き上げられた脚色は、オリジナル脚本ばかりだった彼のキャリアでは初の脚色(米国での初監督作品でもある)だったもので、ダイアローグはもとより、カラーコントラストや衣装デザインまでアイラ・レヴィンの原作小説を細部に至るまで忠実に再現すると云う映像製作は、クリエイターとは一線を画するポランスキーの一面を如実に燻り出す作業でもあったが、鬼気迫るミア・ファローはもとより、ジョン・カサヴェテスやルース・ゴードンと云った曲者揃いの個性を引き出すことに成功していたその手腕には疑いの余地もないと云った所。ちなみに、後年のポランスキーが語る所での本作は、都市部に於ける共同住宅での恐怖を描く同義的作品として65年の「反撥」と76年の「テナント/恐怖を借りた男(未)」と共に三部作の一角として位置付けられている。
生前のレノンが住んでいた事でも知られるダコタハウス(劇中ではブラムフォードと云う名前で登場)を舞台にする物語だが、本作の製作当時、監督ポランスキーの子を身篭っていた亡き妻のシャロン・テイトが惨殺された事件と本作品を巡ってはある種の相関的な因縁も囁かれている。それは、チャールズ・マンソン一味によるシャロン・テイトの惨殺事件は、マンソンのコメントによればビートルズのホワイトアルバムに収録されていた「ヘルター・スケルター」に触発されての行為で、その「ヘルター・スケルター」の共同作曲者(ポールとの)であるジョン・レノンが80年に殺害された場所が、本作のロケ現場ダコタ・ハウスだったと云うもの。余談だが、撮影当時、ダコタの住人だったと云う女優のローレン・バコールや本作の撮影過程を綴った"Rosemary's Baby Book: The Making of the Film that Changed Horror Films Forever"と云う本の著者ケネス・アンダーソンは、他の住人らと共に野次馬として撮影現場をしばしば観覧していたらしい。
さまざまな著名俳優が名を連ねていたキャスティングの最初期に浮上していたのは、ポランスキーの推していたウォーレン・ビーティによるガイとパラマウントが推していたジェーン・フォンダによるローズマリーだったが、まだビッグネームではなかった当時では荷が重過ぎるとしてビーティが自ら辞退し、「バーバレラ」の出演の為にフォンダが辞退した事を受けたポランスキーは、ロバート・レッドフォードとチューズデイ・ウェルドに自ら白羽の矢を立てていた。結果的には、オーディションで落選する形になったウェルドと「白銀のレーサー」へ出演する為に辞退したレッドフォードと云うポランスキーの構想は総崩れになっているが、レッドフォードの代役としてパラマウントが推薦した(ロバート・エヴァンズの推薦だった)と云うジャック・ニコルソンによるガイと云う構想は、ポランスキーによって拒絶されている。この件についてポランスキーは、"for all his talent, his sinister appearance ruled him out"と云うコメントを残しているが、ニコルソンのキャパシティに敬意も払う形で慎重に放たれたこの言葉には、実は悪魔教の一味と取引をしていたガイと云うキャラクターには適役過ぎると云った感も強いニコルソンを抜擢すると云う事は、シナリオ終盤での意外性を損ねる懸念があったと云う事が伺える。
ローズマリーの不安を象徴する夢のシークエンスでは合成写真による視覚効果が駆使されているが、本作は、そのスペシャリストとして数多くの作品に携わっていたファーシオット・エドゥアートのキャリア最後の仕事だった。また、61年のアンジェイ・ワイダの監督作品「夜の終りに」のスコアも担当していたクリストファー・コメダは、62年「水の中のナイフ」や65年「袋小路」などのポランスキー作品に携わった後、ポランスキーと共に西欧に渡った人物。
そのクリストファー・コメダの作曲によるリリカルな冒頭テーマでスキャット的なヴォーカルを披露していたのは主演のミア・ファローだが、役作りの為に生の肝臓まで口にしていたと云う彼女は、車で混雑する道路を空ろな表情で横断すると云う撮影にも臨んでいるが、実はあの場面、妊婦に対して突進して来る車などないだろうと云う彼女のとっさの思い付きで実現していたもので、ポランスキーの指示ではなかったと云う。また、本編の序盤、アパート地下の洗濯ブースに向ったローズマリーが、テリーと云う同じ階に住む女性(後に謎の自殺を遂げる女性)と出会うシーンが登場するが、そのダイアローグで「女優のヴィクトリアと勘違いをした」と云うローズマリーのセリフは、アンジェラ・ドーラン名義で登場していたヴィクトリア・ヴェトゥリの本名に掛けた洒落である。
ローズマリーが悪魔に強姦されるシークエンスは、現在も息衝く悪魔教を創設したとされるアントン・ラヴェイ教会によって技術提供されていたと云う噂が真しやかに囁かれていたが、その実、ラヴェイ教会は映画の製作には全く関与していなかったらしい。
本作で編集を担当していたサム・オスティーンは、演出業に進出した75年のTVドラマ"Queen of the Stardust Ballroom"でエミー賞にノミネートされた直後の76年、本作の続編として制作されたTVドラマ「続・ローズマリーの赤ちゃん」でも演出を担当している。
アイラ・レヴィン原作の映画化権を得たウィリアム・キャッスルは、当初、本作の企画を自身で演出すると云う形でパラマウントに持ち込んでいたが、低予算ホラーメイカーと云うキャッスルの巷でのイメージを憂慮したロバート・エヴァンズによって、最終的には他の監督による演出であれば出資すると云う回答を得ている。数名が候補に挙がっていたと云うリストには、あのヒッチコックの名前もあった。
ちなみに、結果的には製作に携わる形となったウィリアム・キャッスルは、逃亡するローズマリーが身を潜める電話ボックスの外で迷惑そうな顔を見せる中年男性役でカメオとして登場しているが、悪魔との取引でガイ(ジョン・カサヴェテス)が仕事を得る為の犠牲として視力を奪われる商売敵の役者にローズマリーが電話をするシークエンスでは、その電話口の声としてトニー・カーティスがカメオで出演。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
脚本と監督
Screenplay &
Directed by
ロマン・ポランスキー
Roman Polanski
水の中のナイフ Nóz w wodzie
袋小路 Cul-de-sac
吸血鬼 The Fearless Vampire Killers
チャイナタウン Chinatown
テス Tess
フランティック Frantic
赤い航路 Bitter Moon
死と処女 Death and the Maiden
ナインスゲート The Ninth Gate
戦場のピアニスト The Pianist
オリバー・ツイスト Oliver Twist
製作
Produced by
ウィリアム・キャッスル
William Castle
ティングラー 背すじに潜む恐怖 The Tingler
地獄へつゞく部屋 House on Haunted Hill
13ゴースト 13 Ghosts
血だらけの惨劇 Strait-Jacket
ナイト・ウォーカー 夜歩く者 The Night Walker
原作
Based on the novel by
アイラ・レヴィン
Ira Levin
赤い崖 A Kiss Before Dying
ステップフォード・ワイフ(未) The Stepford Wives
ブラジルから来た少年(未) The Boys from Brazil
デストラップ・死の罠 Deathtrap
死の接吻 A Kiss Before Dying
硝子の塔 Sliver
撮影
Cinematography by
ウィリアム・A.フレイカー
William Fraker
悪魔のくちづけ Games
ブリット Bullitt
イルカの日 The Day of the Dolphin
エクソシスト2 Exorcist II: The Heretic
天国から来たチャンピオン Heaven Can Wait
編集
Edited by
サム・オースティーン
Sam O'Steen
バージニア・ウルフなんかこわくない
 Who's Afraid of Virginia Woolf?
暴力脱獄 Cool Hand Luke
卒業 The Graduate
ボブ・ワイマン
Bob Wyman
砦のガンベルト Chuka
オレゴン大森林 わが緑の大地
 Sometimes a Great Notion
マシンガン・パニック The Laughing Policeman
美術
Production Design by
リチャード・シルバート
Richard Sylbert
バージニア・ウルフなんかこわくない
 Who's Afraid of Virginia Woolf?
卒業 The Graduate
チャイナタウン Chinatown
衣装
Costume Design by
アンシア・シルバート
Anthea Sylbert
いれずみの男 The Illustrated Man
ジョンとメリー John and Mary
チャイナタウン Chinatown
視覚効果
Visual Effects by
ファーシオット・エドゥアート
Farciot Edouart
不思議の国のアリス Alice in Wonderland (1933)
失われた週末 The Lost Weekend
おかしな、おかしな、おかしな世界
 It's a Mad Mad Mad Mad World
音楽
Music by
クリストファー・コメダ
Krzysztof Komeda
as
Christopher Komeda
水の中のナイフ Nóz w wodzie
袋小路 Cul-de-sac
吸血鬼 The Fearless Vampire Killers
暴動 Riot
挿入曲
Various Music
Ludwig van Beethoven - from "Für Elise"
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ミア・ファロー
Mia Farrow
Rosemary Woodhouse バタシの鬼軍曹 Guns at Batasi
殺しのダンディー A Dandy in Aspic
秘密の儀式 Secret Ceremony
ジョンとメリー John and Mary
見えない恐怖 Blind Terror
フォロー・ミー Follow Me!
華麗なるギャツビー The Great Gatsby
ナイル殺人事件 Death on the Nile
ジョン・カサヴェテス
John Cassavetes
Guy Woodhouse アメリカの影 Shadows (Directed by)
殺人者たち The Killers
特攻大作戦 The Dirty Dozen
フェイシズ Faces (Written & Directed by)
こわれゆく女 A Woman Under the Influence
(Written & Directed by)
オープニング・ナイト
 Opening Night (Written & Directed by)
グロリア Gloria (Written & Directed by)
ルース・ゴードン
Ruth Gordon
Minnie Castevet サンセット物語 Inside Daisy Clover
何がアリスに起ったか?(未)
 What Ever Happened to Aunt Alice?
ハロルドとモード 少年は虹を渡る Harold and Maude
ダーティファイター Every Which Way But Loose
シドニー・ブラックマー
Sidney Blackmer
Roman Castevet 白昼の決闘 Duel in the Sun
上流社会 High Society
女房の殺し方教えます How to Murder Your Wife
モーリス・エヴァンス
Maurice Evans
'Hutch'
Edward Hutchins
大将軍 The War Lord
ダイヤモンド・ジャック Jack of Diamonds
猿の惑星 Planet of the Apes
ラルフ・ベラミー
Ralph Bellamy
Dr.
Abraham Sapirstein
新婚道中記 The Awful Truth
ルーズベルト物語 Sunrise at Campobello
大逆転 Trading Places
プリティ・ウーマン Pretty Woman
ヴィクトリア・ヴェトゥリ
Victoria Vetri
(as Angela Dorian)
Terry Gionoffrio * アンジェラ・ドリアン名義で出演
太陽の帝王 Kings of the Sun
砦のガンベルト Chuka
恐竜時代 When Dinosaurs Ruled the Earth
パッツィ・ケリー
Patsy Kelly
Laura-Louise 翼の男 The Crowded Sky
裸のキッス The Naked Kiss
フリーキー・フライデー Freaky Friday
イライシャ・クック・Jr.
Elisha Cook Jr.
Mr. Nicklas シェーン Shane
吸血鬼ブラキュラ Blacula
死霊伝説 Salem's Lot (tv)
エマリン・ヘンリー
Emmaline Henry
Elise Dunstan Top Banana
Lucky Me
Divorce American Style
チャールズ・グローディン
Charles Grodin
Dr.
C.C. Hill
求婚専科 Sex and the College Girl
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ふたり自身 The Heartbreak Kid
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ハナ・ランディ
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Grace Cardiff ティファニーで朝食を Breakfast at Tiffany's
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フィル・リーズ
Phil Leeds
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Rosemary's girlfriend
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グリーン・ホーネット The Green Hornet (tv)
新・荒野の七人 馬上の決闘
 Guns of the Magnificent Seven
アーネスト・ハラダ
Ernest Harada
Young Japanese man
(uncredited)
* ノークレジット
インベーダー The Invaders (tv)
大地震 Earthquake
ブルーサンダー Blue Thunder
クレイ・タナー
Clay Tanner
Devil
(uncredited)
* ノークレジット
ハロー・ドーリー! Hello, Dolly!
アウトロー The Outlaw Josey Wales
ドラム Drum
トニー・カーティス
Tony Curtis
Donald Baumgart
(voice)
(uncredited)
* カメオ出演
成功の甘き香り Sweet Smell of Success
手錠のまゝの脱獄 The Defiant Ones
お熱いのがお好き Some Like It Hot
スパルタカス Spartacus
ウィリアム・キャッスル
William Castle
Man by pay phone
(uncredited)
* 製作も兼任
* カメオ出演
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