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Modigliani
モディリアーニ 真実の愛 (2004)
USA / France / Germany / Italy / Romania / UK 128min.
Introduction 序盤アウトライン
1919年、パリ・モンパルナス。誰もが認める類稀なき才能を持つイタリア人の天才画家モディリアーニは、その奔放な生き様と一本気な性格の為に経済的貧窮を常況としていたが、恋人ジャンヌとその間に儲けた愛娘との将来に向けての経済的自立を余儀なくされていた。やがて、愛娘が養護施設に収容されてしまった事から、巨額の賞金を賭けた絵画コンペティションへの出品を決意したモディリアーニだったが、彼の後を追うようにあの天才ピカソも参加を表明、方法論から境遇まで全てに於いて対照的な2人が遂にその決着の時を迎えるのだがーー
Various Note メモ
その奔放な生き様によって36歳の若さで他界したユダヤ系イタリア人の画家アメデオ・モディリアーニの半生を描くシナリオ。冒頭のテロップでも紹介されている通り、大筋の物語はフィクションだと前置きされるミック・デイヴィス(監督も兼任)によるシナリオだが、モディリアーニ本人はもとより妻ジャンヌの迎える帰結のモチーフなどは史実を克明に再現しているもので、自身とは一線を画する総合的キュビスムと云う表現アプローチを確立していた当時のピカソとの確執を描くベーシックなモチーフなども、あながちフィクションとは思えぬリアリズムに満ちている。
モディリアーニやピカソ、そのピカソに対して芸術家としての献身的な愛情を注いでいたと云われるジャン・コクトーをはじめ、音楽家ではクロード・ドビュッシーやモーリス・ラヴェル、エリック・サティと云った錚々たる顔ぶれが集結していた第一次大戦後のパリ(ドビュッシーは1918年に逝去)だが、劇中では大きなアクセントとして描かれる「絵画コンペティション」と云うモチーフも、モンパルナス(パリのセーヌ川左岸14区)のカフェを舞台にモディリアーニやピカソ、コクトーやサティなどがさまざまな情報交換や憩いの場として集っていたと云うエピソードから得られた着想によるもので、浮世離れする創作劇と云った印象でもない。その顔と首が異様に長い人物像には瞳が描き込まれていなかった事も多かったと云うモディリアーニ作品の特徴だが、そのモチーフが最大限活かされる終盤、絵画コンペでのワンカットにはググッと込み上げるものがある。ピカソを始めとするそれぞれの画家たちがトランス状態となって出品作を仕上げる様子を捉えたシークエンスも素晴らしい。
そのモンパルナスの街並みはルーマニアのブカレストで撮影されたものだが、古の面持ちをそのまま残す街並みは殆ど手を掛ける必要もなく、そのごく一部に於いて、民主化の直後に粛清された社会主義時代の元首チャウシェスクがプロパガンダ映画の製作で使用したと云うセットが使用されただけのものだった。
DVDにはさまざまな関係者のインタヴューが収録されているが、取り分け中でもピカソを演じたオミッド・ジャリリの話が面白かった。そのピカソの役作りには、十数冊の関連本と十数本のビデオを鑑賞して臨んだと云うジャリリだが、結果、なりきる事だけが大事なのだと云う結論に至った彼は、当初は励んでいたと云うシェイプも諦め、経済的に困窮するモディリアーニを見下す肥えた成功者を表現すべく顎肉を強調させるなど、シナリオではヒールとなるピカソのキャラクターにも独自の着想で取り組んでいる。アンディ・ガルシアとの競演はかつてない体験だったと語るジャンヌ役のエルザ・ジルベルスタインや、情緒不安定とも云われたピカソに耐えるロシア人妻オルガを演じるエヴァ・ヘルツィゴヴァの話も、それぞれのキャラクター像に明確な解釈を加える印象的なものだった。
父親から12歳の頃に貰った伝記によってモディリアーニの存在を知ったと云う監督のミック・デイヴィスだが、幼い頃は小児喘息に悩まされていたと云うデイヴィスは、幼い頃に結核を患っていたと云うモディリアーニに長年の親近感を覚えていたもので、この作品でのシナリオの執筆と監督と云う仕事もスタジオなどから勧められてのものなどではなく、デイヴィス自身が大事に温めて来た満を持してのものだった。数多くのテレプレイなど数十本の脚本を手掛けながらも、実は自身の演出による作品は少ないと云うデイヴィスだが、この作品に限っては自身の演出でなければと云う強烈なこだわりがあったらしい。メイキングフィルムでのデイヴィスの風貌や写真などを目の当たりにすれば、アート系作品でメガホンを取るような人物には到底見えなかったりもするが、その実、この作品で披露される繊細なポテンシャルは極めて非凡なもの。その鑑賞以前には「ミック・デイヴィス」と云うロックスターのような名前からして微妙な先入観も抱かされていたが、鑑賞後にはそのイメージも一変、その懐の深さには唸らされるばかりだった。
主演のガルシアは、絵画版の「アマデウス」を目指していたと云うコメントを残しているが、その半額以下だったと云う予算状況も感じさせぬ傑作。脚本・演出・パフォーマンスのどれもが傑出している。今もって伝説とされるモディリアーニの生涯を描く本作以外の劇場長編では、58年のジャック・ベッケル監督作品「モンパルナスの灯」も有名。余談だが、本作のシナリオ中盤では、逝去する直前、晩年のルノワールをモディリアーニとピカソが囲んでダイアローグを交わすと云うシーンまでが登場する。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
脚本と監督
Written & Directed by
ミック・デイヴィス
Mick Davis
ナインハーフ2(未) Love in Paris
キラー・アーティスト 氷の死体(未) Den Osynlige
レクイエム Wake of Death
製作
Produced by
アンドレ・ジャウィ
Andre Djaoui
バーニング The Burning
チャタレイ夫人の恋人 Lady Chatterley's Lover
超能力者 ユリ・ゲラー(未) Mindbender
フィリップ・マルチネス
Philippe Martinez
キル・ミー・テンダー Getting In
ディフェンダー(未) The Defender
レクイエム Wake of Death
ステファニー・マルチネス
Stephanie Martinez
レクイエム Wake of Death
製作総指揮
Executive Producers
ドナルド・A.バートン
Donald A. Barton
レクイエム Wake of Death
カリーヌ・ベール
Karinne Behr
アントニー・ブラッキー
Antony Blakey
ポール・フィータム
Paul Feetum
ダグラス・W.ミラー
Douglas W. Miller
アンディ・ガルシア
Andy Garcia
* 主演も兼任
エゴイスト(未) The Man from Elysian Fields
アンディ・ガルシア 沈黙の行方(未) The Unsaid
スティーヴ・マースデン
Steve Marsden
 
ゲイリー・アンガー
Gary Ungar
ゴシカ Gothika
マルコス・チューリナ
Marcos Zurinaga
タンゴ・バー Tango Bar
撮影
Cinematography by
エマヌエル・カドッシュ
Emmanuel Kadosh
レクイエム Wake of Death
編集
Edited by
エマ・E.ヒコックス
Emma E. Hickox
ミラクル・ビーチ(未) Miracle Beach
DEAD GIRL 狂気の愛(未) Dead Girl
フラッシュバック(未) Tangled
美術
Production Design by
ジャンティート・ブルキェラロ
Giantito Burchiellaro
影なき淫獣 Torso
ヒッチハイク Autostop rosso sangue
三人姉妹 Paura e amore
戦場のジャーナリスト Harrison's Flowers
衣装デザイン
Costume Design by
パム・ダウン
Pam Downe
ゲストハウス狂騒曲(未) Guest House Paradiso
音楽
Music by
ガイ・ファーレイ
Guy Farley
レクイエム Wake of Death
サイレント・ワールド P.I.: Post Impact
沈黙の追撃 Submerged(ov)
音楽
Music by
Eyl Male Rakhamim - Cantor Haim Tvi Lieder
Ode to Innocence - Sasha Lazard
La Vie En Rose - Edith Piaf
My Reason - Keedie
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
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アンディ・ガルシア
Andy Garcia
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背徳の囁き Internal Affairs
ゴッドファーザーPART III The Godfather: Part III
愛と死の間で Dead Again
男が女を愛する時 When a Man Loves a Woman
NY検事局 Night Falls on Manhattan
オーシャンズ12 Ocean's Twelve
ツイステッド Twisted
エルザ・ジルベルスタイン
Elsa Zylberstein
Jeanne Hébuterne ミナ Mina Tannenbaum
カストラート Farinelli
葡萄酒色の人生 ロートレック Lautrec
マーダー・ネット(未) 3 Blind Mice
オミッド・ジャリリ
Omid Djalili
Pablo Picasso ハムナプトラ 失われた砂漠の都 The Mummy
グラディエーター Gladiator
スパイ・ゲーム Spy Game
イポリット・ジラルド
Hippolyte Girardot
Maurice Utrillo フォート・サガン Fort Saganne
可愛いだけじゃダメかしら Toxic Affair
イヴォンヌの香り Le parfum d'Yvonne
エヴァ・ヘルツィゴヴァ
Eva Herzigova
Olga,
Picasso's Wife
・チェコ出身/90年代はスーパーモデルとして活躍
俺たちは天使だ Les anges gardiens
ウド・キア
Udo Kier
Max Jacob 悪魔のはらわた Flesh for Frankenstein
処女の生血 Blood for Dracula
サスペリア Suspiria
ブレイド Blade
エンド・オブ・デイズ End of Days
神に選ばれし無敵の男 Invincible
ドッグヴィル Dogville
スージー・エイミー
Susie Amy
Beatrice Hastings レディ・ダルタニアン 新・三銃士
 La Femme Musketeer (tv)
ピーター・キャパルディ
Peter Capaldi
Jean Cocteau 白蛇伝説 The Lair of the White Worm
ビーン Bean
シューティング・フィッシュ Shooting Fish
ルイス・ヒルヤー
Louis Hilyer
Zborowski スカイキャプテン ワールド・オブ・トゥモロー
 Sky Captain and the World of Tomorrow
スティーヴン・リムカス
Stevan Rimkus
Soutine キャル Cal
プリック・アップ Prick Up Your Ears
ロンドン・キルズ・ミー London Kills Me
ダン・アスティリーヌ
Dan Astileanu
Diego Rivera 巴里に天使が舞いおりる(未) Asphalt Tango
ホロコースト アドルフ・ヒトラーの洗礼(未) Amen.
バタリアン4 Return of the Living Dead: Necropolis
ゲオルグ・イヴァスク
George Ivascu
Moise Kisling 巴里に天使が舞いおりる(未) Asphalt Tango
ホロコースト アドルフ・ヒトラーの洗礼(未) Amen.
ミシェル・ニューウェル
Michelle Newell
Eudoxie Hébuterne Othello (2001) (tv)
Cambridge Spies (2003) (tv)
フレデリーコ・アンブロジーノ
Frederico Ambrosino
Little Dedo  
ミリアム・マーゴリーズ
Miriam Margolyes
Gertrude Stein エンド・オブ・デイズ End of Days
太陽の雫 Sunshine
ハリー・ポッターと秘密の部屋
 Harry Potter and the Chamber of Secrets
ランス・ヘンリクセン
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