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仄暗い水の底から
From the Depths of Dark Water (2001) Japan 101min.
Introduction 序盤アウトライン
別居する夫との間で幼い娘・郁子の親権を巡る調停を申し立てられていた松原淑美は、その権利を主張する為には必要不可欠な安住出来る住居を物色していた。やがて、古びたマンションで親子二人きりでの生活を始めた淑美だったが、階上からの水漏れと云うクレームにも梨の礫を貫く管理人と斡旋業者の態度は、難航極める調停や就職問題を抱えていた彼女のストレスを募らせてしまう。その傍らでは、娘の郁子も不可解な独り言を呟くようになっていた。そんなある日、原因不明の失神状態に陥った郁子を幼稚園から連れ帰った淑美は、転寝をしていた間にベッドを水浸しにされていた天井からの水漏れにクレームをつけようと自ら階上の部屋へと向うのだがーー
Various Note メモ
「女優霊」を経て「リング」シリーズで大ブレークした中田秀夫監督が放つ哀感ホラー。その内容は、少女時代には両親の離婚を目の当たりにした主人公が、成長した自身の結婚生活も破綻を迎えていた中で遭遇する悲運を綴るもの。本作の4年後、05年「ザ・リング2」ではハリウッドにも進出する中田監督だが、その成功の足掛かりとなったのも、ハリウッド版「リング」を契機にする一連のリメイク作品が海外でも受け入れられていた事。斬新なモチーフと圧倒的なパワーで幽霊文化を綴る「リング」の大成功には手放しで頷けるが、個人的な所感としては、この作品の演出に対する印象は過去の作品群のそれとはかなり違う。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
まず、留意したい点は、普遍的な「母性愛」の美しさや尊さと云ったものをテーマにした作品ではなかったと云う事。クライマックスでは、母親との水入らずでの生活に未練を残す少女の怨霊によって死後の世界に連れ去られる主人公の淑美だが、そのモチベーションと云うのも、恵まれない少女時代に培った母親に対するトラウマを引き金にしていたもの。要は、母性愛と云った普遍的な感性ではなく、個人的な事情によって培われていたトラウマによって土壇場の局面で少女の怨霊に同調してしまったと云う事だが、手っ取り早く云えば、フツーのお母さんなどでは、少女の怨霊に連れ去られる事を由としてしまうようなクライマックスはありえなかったと云う事。
その少女の怨霊に対して同調してしまうと云うクライマックスだが、その然るべき過程として描かれなければならなかったトラウマを培う淑美の過去のモチーフなども殆ど挿入されていない為に、あのエレベータ内での淑美の決断には違和感を余儀なくされる。十年後にその舞台をすっ飛ばす最終シークエンスでは、「母はずっと私を見守ってくれていたのだ」などと云った成長した娘のモノローグまでもが飛び出しているが、これでは、実の娘に対する責任もそっちのけで怨霊と旅立ってしまった自己チューな母親の言い訳を代弁しているようにしか映らない。
「自己中心的な保護者によって悲劇を迎えた少女が、今度は自らが自己中心的な怨霊となって主人公を死後の世界に拉致。その拉致された主人公は自己中心的な両親によってトラウマを抱えていた人物で、今度はそのトラウマの因果を払拭するかのように実の娘を現世に置き去りにすると云う自己中心的な道を選択。でも、主人公は、実の娘を死後の世界から見守っているでしょう」と云ったアウトラインを思い巡らせば、情緒豊かなパンチラインはおろか、そのテーマを汲み取る事すら不可能と云った所。クライマックスのエレベーターのカットに至るまでの劇的なスコアやエンドロールのポップソングも独立した環境で鳴らせば良い曲だが、ここではアンマッチ極まりない。
ジェニファー・コネリー主演のリメイク版では、娘の命と引き換えに母親になれと迫る怨霊に対してやむなしと云った形で死後の世界に旅立つ主人公だが、こちらのオリジナルでは判り難かった主人公の過去を示唆する伏線的モチーフやディテールの違いによって殊更見事な脚色となっていたリメイク版の方でさえ、あの死後の世界に連れ去られる主人公の姿には微妙な違和感も。要は、怨霊と化した少女の一人勝ちとなる結末を目の当たりにすれば、あの情緒豊かなプロセスにも必然性は感じないと云う事だが、現世に生きる実の娘と霊界を彷徨う可哀想な娘と云う「2人の娘」に注がれる壮大な母性愛と云ったテーマだったのであれば、物語のスパンを延ばす形で、危機に直面した実の娘を霊界パワーで守り抜くと云ったやや陳腐な描写も必須だったはず。ただ、この路線だったと仮定すれば、10年後のカットで「守ってくれていた」と云う根拠のない言い訳にしか聞こえないオリジナル版でのスクリプトとは違い、その舞台を3週間しか移動しないリメイク版での脚色の方には説得力もある。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
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監督
Directed by
中田秀夫 女優霊
リング
ジョセフ・ロージー 四つの名を持つ男
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カオス chaos
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Last Scene
プロデューサー
Producer
一瀬隆重 リング
らせん
リング2
呪怨
呪怨2
原作
Based on the novel by
鈴木光司 リング
らせん
リング2
リング0 バースデイ
脚色
Screenplay by
中村義洋 Last Scene
恋に唄えば♪
クイール
鈴木謙一 Last Scene
恋に唄えば♪
撮影
Cinematography by
林 淳一郎 リング
冷血の罠
ガラスの脳
富江 replay
カリスマ CHARISMA
特殊効果
Special Effects by
岸浦秀一 みんな~やってるか!
ホワイトアウト
ムルデカ17805
レディ・ジョーカー
視覚効果
Visual Effects by
橋本満明 御法度
ムルデカ17805
壬生義士伝
ゴジラ FINAL WARS
レディ・ジョーカー
編集
Edited by
高橋信之 リング
リング2
ISOLA 多重人格少女
Last Scene
呪怨
呪怨2
美術
Production Design by
中澤克己 家族ゲーム
メイン・テーマ
ムルデカ17805
青の炎
レディ・ジョーカー
音楽
Music by
川井憲次 リング
リング2
修羅雪姫
予言
挿入曲
Various Music
スガシカオ 「青い空」
ブギーポップは笑わない Boogiepop and Others
ココニイルコト
ソウル SEOUL
出演
Cast
配役
Plays
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Last Scene
69 sixty nine
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品川 徹
幼稚園の園長 チェリーパイ
親指さがし
雨の町
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河 野
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マルタイの女
復讐 THE REVENGE 消えない傷痕
リング2
バトル・ロワイアル
原 知佐子
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淑美の叔母
怪談累が渕
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