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フラガール
Hula Girl (2006) Japan 121min.
Introduction 序盤アウトライン
昭和40年、エネルギー革命の波が押し寄せる福島県いわき市の常磐炭田。就労総人員の約半数となる二千名の人員削減に踏み切った常磐炭礦は、廃れゆく採炭事業に打って変わるレジャー産業進出に本格的に乗り出そうとしていた。豊富な温泉を利用する事で「常夏のハワイ」を極寒の東北に再現しようと試みるそのプロジェクトは、レジャー部門の別働セクションとして立ち上げた常磐興産社長・吉本の構想の下、地元の娘たちによるフラダンスショーを目玉に据えた企画だったが、その第一歩となる出演者募集の段階で志願したメンバーは、当初の構想にも遥かに及ばぬわずか4名だけだった。その指導者として招聘されていた東京・松竹歌劇団のダンサー平山まどかは、わずか数ヶ月でズブの素人をステージに立たせようとする吉本の方針そのものに反発、教え子たちにも厳しい現実を突き付けるシビアなスタンスに終始していたが、そんな彼女の心を揺り動かしたのは、逆境にもめげずに自らの力で人生を切り開こうとするうら若き教え子たちの直向な姿だったーー
Various Note メモ
昭和39年、採炭事業を行う炭礦がレジャー産業進出の為に別働会社(常磐湯本温泉観光株式会社)を設立、昭和41年1月に「常磐ハワイアンセンター」をオープンさせるまでの紆余曲折の実話を基に綴る感動巨編。脚本は「パッチギ!」の羽原大介と演出も手掛ける「69 sixty nine」「スクラップ・ヘブン」の李相日。メインキャストはもとより、全ての登場人物が崖っぷちと云うシリアスな実話を背景にしながらも、それぞれの人物が絡み合う全てのモチーフに夢と希望と愛が蔓延。この手の路線ではありがちな誇張された脚色などと云った揶揄もここでは全く無縁。わずか数名のメインキャストにスポットを当てるシナリオながらも、約2時間、感動のモチーフが間髪入れずに押し寄せる。さまざまな関係者の方々やメインキャスト以外のフラガールズ、炭鉱関係者で構成されていたと云うバンドマンの方々などにもスポットを当てれば、当時の現実は更にドラマティックだったのではないのかと思えたほど。こんなに素直な感動が出来るから映画ってホントにイイ。第80回キネマ旬報ベストテン「邦画」第1位、第30回日本アカデミー賞「最優秀作品賞」受賞作品。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
予想外にダンモな印象だったジェイク・シマブクロ氏のスコアも良かった。VHやジミヘンにも傾倒、と云うか、エディVHやジミヘンのプレイをウクレレでコピってた(大爆)と云うシマブクロ氏の話は以前から各方面で取り上げられていたが、ハワイアンのテイストのみならず独自のスタンスを貫くここでのライト感覚のスコアは本当に予想外だった。冒頭一発目の挿入曲(女性ヴォーカル)などでも面食らった方々なども少なくなかったはず。
また、野外でのフラガールズの記念ショットなどを筆頭に、無意識のうちに惹き付けられてしまったと云えば、タランティーノのKBシリーズでハリウッドにも進出した種田陽平さんによるプロダクションデザイン。オフィシャルサイトによれば、炭鉱住宅とチキハウス(ハワイアンセンターのステージに建てられた三角屋根のポリネシアン住居)、ダイヤモンドヘッドとズリ山(廃棄された石炭の集積場)と云うそれぞれの二極の空間を対比させていたと云う種田さんのデザインだが、そんなネタバレを知ったのも鑑賞後にオフィシャルサイトを閲覧した際の事。フラットな状態のオーディエンスに自然にアピール出来るそのコンセプトは然るべく評価されるべき所。
昭和40年の福島県の炭田を舞台にド素人だった方々のフラダンスを描く映画と云う事で、大方の先入観も余儀なくされていた作品だったが、実際の印象は何から何までが違っていた。ノスタルジーを醸し出すセピア調とフラの中心カラーとなる赤を対比させる劇的なカラーコントラストにプロダクションデザインのコンセプトが貫かれた映像、更には、ウクレレと云う楽器でリフを鳴らしながらもポリネシアとは無縁にも思えるシマブクロ氏のダンモなスコアが彩る映像は、40年前のハワイアンダンスを下地にするローカルな人間ドラマと云う鑑賞以前の先入観を払拭するにも余りある大きなファクターだった。
肝心のスクリプトについてもこれまた申し分なし。登場人物は誰もが崖っぷち。シビアな現実を背負う誰しもがそれぞれの理念や言い分を貫く中、大いなる紆余曲折を経て歩み寄るまでの激動の日々を描くシナリオが心に響かないはずもない。現実を見据える母親と夢を諦めたくない頑なな娘が織り成す親子の絆、移り変わる時代に戸惑う兄と最愛の妹が織り成す兄弟愛、家庭の事情から別離を余儀なくされる親友同士の別れの情景、地域経済の明日を一手に担う会社社長の苦悩のドラマ、親の死に目にも会う事が出来なかったダンサーの悲哀、そして、スネに傷を負う元スターと教え子たちが後ろ指を指される状況下で深い絆を結ぶ情景など、正に情緒豊かなモチーフがてんこ盛り。
殆どの登場人物と衝突するばかりか男風呂にまで殴り込む(ホントだったとしたら前代未聞のエピソード)ダンス教師のまどかを演じる松雪泰子さん、高校生ながらも気の強さからフラガールズのリーダーになる紀美子を演じる蒼井優さん、それぞれの局面で余す事なく貫禄をアピールする富司純子さん(紀美子の母親・千代)と、3つの世代を代表する女優さんがそれぞれに火花を散らす場面はどれもが逸品。窓越しに覗き見たまどかのダンスにカルチャーショックを受ける紀美子のシーンを、プロのダンサーとして踏み出そうとする娘のダンスに心変わりを余儀なくされる千代のシーンの伏線にする演出も印象深い。クライマックスも最高潮。細身の蒼井さんが大団円で迎えるソロを担う事など鑑賞前には予想出来なかった光景。キャストのイメージを覆すここでのダイナミズムは、なかんずく衝撃だった。南海キャンディーズの山崎さんも重要なカードを好演。寸鉄のウィットを披露する岸部さんのパフォーマンスにもとっさに爆笑させられたが、忘れたくないのは、徳永えりさんが演じる早苗と云うキャラ。いずれは何らかの形でお目見えしたと思われるフラガールズと云うユニットだが、早苗と云う存在なくしてはシナリオで描かれる全てのドラマも有り得なかった訳なので。
物語の背景となる昭和40年代当初の頃はさて置き、その数年後にあたる昭和40年代中番、福島県に住むようになった小学生当時には「常磐ハワイアンセンター」のCMをフジ系列のローカル局で頻繁に見た記憶も。劇中でもクライマックスのシークエンスで描かれる大勢のリズムセクションのユニゾンによるサウンドとフラダンサーズの映像によるわずか十数秒間(だったと思う)のスポット的なものだった。幼かった時分、金粉ショーや秘法館(笑)などで有名だった郡山市磐梯熱海のレジャー施設「磐光パラダイス」との区別はおろか、ハワイとハワイアンセンターの違いにもピンと来なかった年頃に見ていたCMだったが、そんなオボロゲな記憶が一遍の映画によって引き出されるとは夢にも思っていなかった所。現在、スパリゾートハワイアンズとして賑わう当地は、各種イベントも然る事ながらお風呂やプールの種類が実に多彩。宿泊するも良しの充実度で日帰りでも長時間楽しめる事請け合いです。
プロダクションノートや受賞記録、さまざまな逸話や各種リンクなども満載のオフィシャルサイトはこちら。
http://www.hula-girl.jp/top.html



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
李相日
Lee Sang-il
* 脚本も兼任
青 chong
BORDER LINE
69 sixty nine
スクラップ・ヘブン
製作
Produced by
李鳳宇
Lee Bong-Ou
青いうた のど自慢 青春編
キトキト!
魂萌え!
パッチギ! LOVE&PEACE
河合 洋
細野義朗 電車男
嫌われ松子の一生
県庁の星
企画とプロデュース
Producer
Planned by
石原仁美 のど自慢
ゲロッパ!
パッチギ!
脚本
Written by
李相日
Lee Sang-il
* 監督も兼任
羽原大介 ゲロッパ!
パッチギ!
テニスの王子様
パッチギ! LOVE&PEACE
ゲゲゲの鬼太郎
撮影
Cinematography by
山本英夫 HANA-BI
中国の鳥人
ホワイトアウト
オーディション
ゲロッパ!
パッチギ!
着信アリ
THE 有頂天ホテル
県庁の星
パッチギ! LOVE&PEACE
編集
Edited by
今井 剛 Jam Films
北の零年
69 sixty nine
世界の中心で、愛をさけぶ
スクラップ・ヘブン
ユビサキから世界を
ラフ ROUGH
美術
Production Design by
種田陽平 スワロウテイル
冷静と情熱のあいだ
キル・ビル Kill Bill
キル・ビル Vol.2 Kill Bill Vol.2
THE 有頂天ホテル
夜のピクニック
怪談
舞踊振付・指導
Chreographer
カレイナニ早川 * 劇中キャラクター平山まどかのモデルとなった現・常磐音楽舞踊学院最高顧問
衣装
Costume by
星野和美 珈琲時光
ファンタスティポ
楽曲協力
(スパリゾートハワイアンズ)
斉藤和雄と
エテネタヒチアンズ
 
音楽
Music by
ジェイク・シマブクロ * ホノルル生まれのモダンスタイルのウクレレ奏者
離婚弁護士II ハンサム ウーマン (tv)
挿入曲
Various Music
Hula Girl (Main Theme) - (written by) Jake Shimabukuro
Walking Down Rainhill - (written by) Jake Shimabukuro
Touch - (written by) Jake Shimabukuro
On The Road - (written by) Jake Shimabukuro
One Cup Of Coffee - (written by) Jake Shimabukuro
The Dance - (written by) Jake Shimabukuro
Heartbeat - (written by) Jake Shimabukuro
Wish On My Star - Jake Shimabukuro / featuring Jennifer Perri
Opening - (written by) Jake Shimabukuro
Graduation - (written by) Jake Shimabukuro
Mother's Theam - (written by) Yoshihiro Nagayma
Hawaiian Eyes - Na Leo
Local Boys - Na Leo
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
「常磐ハワイアンセンター」の関係者
松雪泰子
平山まどか * 早川和江さん(a.k.a.カレイナニ早川:常磐音楽舞踊学院最高顧問)がモデル
パ★テ★オ
白鳥麗子でございます! (tv)
MONDAY マンデイ
アナザヘヴン
DRIVE ドライブ
子ぎつねヘレン
子宮の記憶 ここにあなたがいる
岸部一徳
吉本紀夫 * 故中村豊 常磐興産元社長がモデル
細雪
時をかける少女
お葬式
その男、凶暴につき
39 刑法第三十九条
ゲロッパ!
座頭市
レディ・ジョーカー
犬神家の一族 (2006)
怪奇大作戦 セカンドファイル (tv)
アルゼンチンババア
フラガールズ Hulagirls
蒼井 優
谷川紀美子 リリイ・シュシュのすべて
害虫
偶然にも最悪な少年
海猫
花とアリス
ニライカナイからの手紙
蟲師
ハチミツとクローバー
クワイエットルームにようこそ
山崎静代
熊野小百合 * 南海キャンディーズ
ラブ★コン
日常
池津祥子 佐々木初子 池袋ウエストゲートパーク (tv)
富豪刑事 (tv)
吾輩は主婦である (tv)
徳永えり 木村早苗 放郷物語 THROES OUT MY HOMETOWN
彩恋
浅川稚広
神山愛子 愛を乞うひと
FM89.3MHz
安部魔凛碧
蔦谷米子 ザ・ラーメンガール
ベロニカは死ぬことにした
濡れた赫い糸
池永亜美
相馬純子 偶然にも最悪な少年
花とアリス
Believer
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田口ゆき絵  
 
中浜奈美子
芦屋めい ノーパンツ・ガールズ Movie Box-ing2
常磐炭鉱や地域の人々
豊川悦司
谷川洋二朗
(紀美子の兄)
12人の優しい日本人
きらきらひかる
課長 島耕作
エンジェル・ダスト
居酒屋ゆうれい
Love Letter
トイレの花子さん
男たちのかいた絵
八つ墓村
新・仁義なき戦い。

さゞなみ

ハサミ男
レイクサイド マーダーケース
北の零年
大停電の夜に
ロフト LOFT
日本沈没
椿三十郎
富司純子
谷川千代
(紀美子の母)
隠密剣士
緋牡丹博徒
女渡世人
あ・うん
タスマニア物語
ふたり
あ、春
おもちゃ
愛の流刑地
犬神家の一族 (2006)
寝ずの番
三宅弘城 猪狩光夫
(洋二朗の親友)
木更津キャッツアイ
トリック 劇場版
木更津キャッツアイ 日本シリーズ
踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
電車男
木更津キャッツアイ ワールドシリーズ
寺島 進 石 田
(借金取り)
その男、凶暴につき
ソナチネ
マークスの山
HANA-BI
蜘蛛の瞳
害虫
花と蛇
北の零年
THE 有頂天ホテル
アンフェア the movie
志賀 勝 熊野五郎
(小百合の父)
仁義なき戦い
仁義なき戦い 広島死闘篇
仁義なき戦い 頂上作戦
ドーベルマン刑事
空手バカ一代
高橋克実 木村清二
(早苗の父)
ORGAN オルガン
いぬのえいが
男はソレを我慢できない
阿波DANCE
小野愛莉
木村好恵
(早苗の妹)
 
高橋 朗
木村 実
(早苗の弟)
 
畠みゆう
木村美代
(早苗の末の妹)
 
鈴木寛弥
佐々木太郎
(初子の息子)
 
大河内 浩
炭鉱労組幹部 12人の優しい日本人
君を忘れない
夜逃げ屋本舗
キューティーハニー
ローレライ
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