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Network
ネットワーク (1976) USA 121min.
Introduction 序盤アウトライン
ハワード・ビールは、三大ネットワークに次ぐ全米有数のテレビ局UBSの「イヴニング・ニュース」で15年に亘り司会を務めて来た看板キャスターだったが、全盛期にはシェアで28%だった視聴率も、69年を境に低迷の一途を辿る中、妻との死別を迎えた翌年には12%にダウン、そして、酒に溺れる日々を経て迎えた75年9月22日、遂にその解雇が決定される。UBS報道部の部長マックスは、旧友でもあるハワードへの解雇通達の為に飲み明かす形での一晩を費やすが、その翌日、降板まで2週間となったハワードが生放送の中で自らの自殺を宣言、他局でもトップニュースとして扱われたその前代未聞のハプニングは、年間3200万ドルの赤字を抱える報道部の責任者マックスの進退にも大きな影響をもたらす。翌日の株主総会での席上、UBSを傘下に置く巨大グループCCAの役員ハケットが、縮小後の報道部を独立部門からCCA本社直結にする事を宣言、自身に対する三行半にも等しい台詞を株主の前で浴びせられたマックスは、総会の直後に放送された7時のニュースで暴言をぶちまけるハワードに対しても黙認のスタンスを貫く事で、経営サイドに対する強烈な怒りをアピールする。然るべく辞職に追い込まれたマックスと同様に、降板までのカウントダウンを待たずしてお払い箱になるかと思われたハワードだったが、特番部門での企画を纏める野心家の女性幹部ダイアナは、ハワードのパフォーマンスが翌朝の著名各紙の一面を賑わせていた事に熱視線を送っていた。やがて、ハワードを民衆の怒りを代弁する者として祭り上げる事を提案したダイアナによって組まれた特番「ハワード・ビール・ショー」は、紆余曲折を経ながらも未曾有の高視聴率を記録、社会現象にまで発展した番組は、赤字続きだった報道部にも黒字の朗報をもたらすのだがーー
Various Note メモ
76年度の米アカデミーでは「脚本賞」「主演男優賞(ピーター・フィンチとウィリアム・ホールデン)」「主演女優賞(フェイ・ダナウェイ)」「助演女優賞(ビアトリス・ストレイト)」の4賞を受賞、同年度ゴールデン・グローブでは「監督賞」「脚本賞」「ドラマ部門男優賞(ピーター・フィンチ)」「ドラマ部門女優賞(フェイ・ダナウェイ)」の4賞を受賞、また、77年度の英国アカデミーでは、ピーター・フィンチとウィリアム・ホールデンが「主演男優賞」に輝いた作品だが、05年11月現在までの米アカデミーの歴史に於いて、一つの作品から3名以上の受賞俳優を排出したのは、76年度の本作「ネットワーク」と、ヴィヴィアン・リー、カール・マルデン、キム・ハンターと云う3名の受賞俳優を輩出した51年度の「欲望という名の電車」の2作品だけ。
BGMを含むシークエンスは一切登場しない作品だが、スコア担当とクレジットされるエリオット・ローレンスは、劇中でのショーのテーマ曲としても使用されるエンドクレジットのBGMや、僅かに聞こえるCFソングなどを手掛けていたと思われる。
三大ネットワークも睨むと云う微妙な位置で経営を展開するテレビ局での権力闘争を背景に、さまざまな関係者たちの行動がヴィヴィッドに綴られたシナリオだが、そのテーマは、実に普遍的なもの。足も地に付かぬぶざまな中年として描かれるマックス(ウィリアム・ホールデン)と野心に満ちた女性幹部のダイアナ(フェイ・ダナウェイ)の不倫関係の終局で交わされるダイアローグでは、何気なく飄々とした面持ちでマックスの男性機能を非難したダイアナが、男性機能を面と向って非難される事は非常に辛いと前置きする整然とした面持ちのマックスによって、その視聴率を取る為には手段を選ばぬ反社会的レベルのエゴイズムを一刀両断されている。この一連のダイアローグは、競争社会とも云える資本主義社会に於いても、持ちつ持たれつのルールが厳然と介在し、その赤線を超えた暴走するエゴイズムには然るべき相応の代償が伴うと云う鮮烈なメッセージとして描き出されたモチーフで、それは、その直後に迎えるハワードの末路で帰結されている。
ナレーションによって、視聴率を取れずに殺害された最初の男とアナウンスされるハワードだが、これは同時に、刑事法に真っ向から違反すると云う形で、遂にそのエゴイズムの代償を払わされる形になるダイアナ以下の報道部幹部たちの哀れな末路を予見させるものである。実に衝撃的で浮世離れしたようにも見えてしまうエンタメ性にも満ちたクライマックスだが、これは、社会の均衡をも打ち破る暴走するエゴイズムに警鐘を打ち鳴らしたもので、実は、あまりにも普遍的な競争社会での実像が浮き彫りにされたものだったと云える。
蛇足のように思わせながらも、実は、テーマを代弁する伏線として描かれていたマックスとダイアナの恋愛モチーフをはじめ、自らのプロパガンダの為にハワードは飼い殺しにしながらも、つまずいた人間には自滅の道を辿らせようとするCCA会長(ネッド・ビーティ)のスタンスに代弁される競争社会の非情な側面を燻り出すモチーフなど、抑制されながらもスリリングで鮮明な視点を提示する傑出した物語。スクリプトでは、ショーの仕掛け人となるダイアナとその主役となるハワードが面と向って交わすダイアローグが一切排除されているが、これも、さまざまな思惑を抱える多数の人物が複雑に絡み合う伏魔殿とも呼べる大企業の体質を表現する巧い演出だったと云える。社会派ルメットの金字塔。余談だが、過激派との取引のシークエンスでは、若き日のランス・ヘンリクセンも出演、ノークレジットながらも台詞付きでの登場となっている。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
シドニー・ルメット
Sidney Lumet
十二人の怒れる男 12 Angry Men
未知への飛行 Fail-Safe
丘 The Hill
約束 The Appointment
セルピコ Serpico
狼たちの午後 Dog Day Afternoon
製作
Produced by
ハワード・ゴットフリード
Howard Gottfried
ホスピタル The Hospital
アルタード・ステーツ 未知への挑戦 Altered States
脚本
Written by
パディ・チャイエフスキー
Paddy Chayefsky
マーティ Marty
ホスピタル The Hospital
撮影
Cinematography by
オーウェン・ロイズマン
Owen Roizman
フレンチ・コネクション The French Connection
エクソシスト The Exorcist
サブウェイ・パニック
 The Taking of Pelham One Two Three
コンドル Three Days of the Condor
編集
Edited by
アラン・ハイム
Alan Heim
ゴッドスペル Godspell
レニー・ブルース Lenny
美術
Production Design by
フィリップ・ローゼンバーグ
Philip Rosenberg
バッジ373 Badge 373
熱い賭け The Gambler
衣装デザイン
Costume Design by
テオーニ・V.アルドリッジ
Theoni V. Aldredge
華麗なるギャツビー The Great Gatsby
ニューヨーク一獲千金
 Harry and Walter Go to New York
音楽
Music by
エリオット・ローレンス
Elliot Lawrence
The Violators
Thunder in Dixie
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
フェイ・ダナウェイ
Faye Dunaway
Diana Christensen ボニーとクライド 俺たちに明日はない
 Bonnie and Clyde
チャイナタウン Chinatown
コンドル Three Days of the Condor
ウィリアム・ホールデン
William Holden
Max Schumacher サンセット大通り Sunset Blvd.
第十七捕虜収容所 Stalag 17
ピクニック Picnic
ピーター・フィンチ
Peter Finch
Howard Beale 反抗の渦 Windom's Way
尼僧物語 The Nun's Story
日曜日は別れの時 Sunday Bloody Sunday
ロバート・デュヴァル
Robert Duvall
Frank Hackett ゴッドファーザー The Godfather
バッジ373 Badge 373
鷲は舞いおりた The Eagle Has Landed
ウェズリー・アディ
Wesley Addy
Nelson Chaney トラ・トラ・トラ! Tora! Tora! Tora!
傷だらけの挽歌 The Grissom Gang
ネッド・ビーティ
Ned Beatty
Arthur Jensen 脱出 Deliverance
白熱 White Lightning
ナッシュビル Nashville
アーサー・バーグハート
Arthur Burghardt
Great Ahmed Kahn Hardcastle and McCormick (tv)
Transformers (tv)
ビル・バロウズ
Bill Burrows
TV Director  
ジョーダン・チャーニイ
Jordan Charney
Harry Hunter ホスピタル The Hospital
女優フランシス Frances
エド・クローリー
Ed Crowley
Joe Donnelly セルピコ Serpico
コンドル Three Days of the Condor
コンチャータ・フェレル
Conchata Ferrell
Barbara Schlesinger ミスティック・ピザ Mystic Pizza
この愛に生きて For Keeps?
ダリル・ヒックマン
Darryl Hickman
Bill Herron 最後の地獄船 Two Years Before the Mast
ティングラー 背すじに潜む恐怖(未) The Tingler
キャロライン・クリグボーム
Carolyn Krigbaum
Max's Secretary ホスピタル The Hospital
ロイ・プール
Roy Poole
Sam Haywood オレゴン大森林 わが緑の大地
 Sometimes a Great Notion
マンディンゴ Mandingo
ウィリアム・プリンス
William Prince
Edward George Ruddy カーネギー・ホール Carnegie Hall
ブロンコ・ビリー Bronco Billy
ビアトリス・ストレイト
Beatrice Straight
Louise Schumacher 尼僧物語 The Nun's Story
若い恋人たち The Young Lovers
マーリーン・ウォーフィールド
Marlene Warfield
Laureen Hobbs ボクサー The Great White Hope
110番街交差点 Across 110th Street
リー・リチャードソン
Lee Richardson
Narrator 真夜中 Middle of the Night
ブルベイカー Brubaker
ランス・ヘンリクセン
Lance Henriksen
Network lawyer
at Khan's place
(uncredited)
* ノークレジット
オーメン2 ダミアン Damien: Omen II
ライトスタッフ The Right Stuff
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