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どろろ
Dororo (2007) Japan 139min.
Introduction 序盤アウトライン
賢帝歴3048年、東の果てのとある国。数十年に及ぶ戦乱の中、劣勢を余儀なくされていた武将・醍醐景光が、落ち延びた寺「地獄堂」で魔物との取引によって天下統一の力を得る。その引き換えとして魔物に差し出されたのは、あろう事か生まれたばかりの景光の赤子だったが、やがて、体の48箇所の部位を魔物たちに食い荒らされた赤子は、医師・寿海の下で人工のパーツを与えられる中、青年「百鬼丸」として逞しく成長する。やがて、寿海が他界した事で放浪の旅に出た百鬼丸は、自身の身体を貪った48匹の妖怪を退治する事で、それぞれの部位が元通りに戻る事を知るのだがーー
Various Note メモ
古今東西、オカルト漫画では最高峰の一遍が遂に映像化。原作は、云わずと知れた手塚治虫の代表作。脚色は「中国の鳥人」のNAKA雅MURAと、演出も兼任する「月光の囁き」「黄泉がえり」の塩田明彦。オカルティズムの極致とも云える複雑怪奇なプロットと人間の絆を正負のコントラストで昇華させる難儀なテーマを、わかり易いスクリプトと楽しい作画でサクッと纏める出色の原作漫画だが、ここでの脚色も予想以上の出来映え。と云うより、シュールな映像表現も自由自在の昨今では、脚色こそが最大の焦点だったが、シンプルかつ的を押さえたここでの脚色もかなり良い。主要キャラの年齢設定を変える事でペーソスの幅を広げていた辺りも特筆すべき所。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
この「どろろ」と云う原作漫画、東洋医術の粋を集めたサイボーグとでも呼ぶべき身体を、妖怪退治によって生まれたままの状態に戻すという発想自体がそもそも凄い。耳なし芳市のようなオカルティズムとフランケンシュタインのようなSF感覚を和洋折衷させたような内容は、古今東西でも他に類を見ないはず。妖怪を退治する度に確実な成果を露にする物語は、中だるみとも無縁。身体のパーツを元に戻す為には48体の妖怪を退治しなければならないと云うシリアルな展開は、目標踏破への軌跡を描くスポコン路線のようなカタルシスにも満ちている。ここまで一気に読みたくなるホラー漫画というのも極めて珍しい。
随所で見受けられる原作と脚色の違いだが、その最たる一つは、年頃で描かれるどろろの年齢設定。実は女の子だったと云うくだりも、原作では中盤以降でのサプライズになるモチーフだが、ここでは見た目の通り冒頭から明らかに。小僧っ子のようなキャラだった原作のどろろだが、百鬼丸との関係に含みを持たせるここでの脚色がパワーアップしていた事は誰の目にも明らか。と云うより、原作のシチュエーションをそのまま映像化したような場合、一歩誤れば、少年映画のようにもなっていたはず。
ただ、妖怪を退治する度に体のパーツが元に戻る娯楽活劇指向のシュールな描写もここでの醍醐味の一つ。必ずしもパーツの再生には直結しない原作だが、お約束のように描かれるこちらの映像版はストレートで判りやすい。「うしろの百太郎」のような桜吹雪の妖怪、仮面の忍者「赤影」のガマ怪獣のようなモンスター、「怪獣王子」の鳥人のような妖怪など、懐かしのキャラを髣髴とさせるアクションシーンも嬉しい所。
ドメスティックな戦国時代を舞台にする原作のシチュエーションを、時代も不詳の無国籍な設定に脚色していた辺りも、そもそもがシュールなプロットの幅を広げる事に成功。どろろの育ての父親が使用するフラスコやビニール管、子供たちの怨霊の化身が喋る「ママ」と云う台詞、唐の時代を思わせるセット装飾など一切の脈絡も敢えて無視する脚色だが、東洋医術のスーパーサイボーグが登場する超絶オカルトなプロットを考慮すれば、現実的な背景に固執出来なかった事にも肯ける。
用無しとなれば村人に忌み嫌われる「七人の侍」のような原作のくだりはそのまま頂戴する一方、尼僧+村人+妖怪+鯖目が入り乱れるエピソードや大金絡みの宿命を背負うどろろの生い立ちなど、原作ではやや複雑だったモチーフをシンプルに纏める脚色も良かった。原作ではどろろの友人が背負っていた景光との因縁を、どろろが背負う因縁として直結させていた脚色だが、この辺りも、近親者の絆を正負の視点で描くドラマ本来のテーマにストレートに直結。
そんなテーマも、こちらの脚色では異なるストーリーラインで描かれる訳だが、根底的には全く同じ。百鬼丸の父親・醍醐景光が救いようのないエゴイストで描く一方、人間たるものの倫理観を土俵際で死守しようとする他のキャラクターだが、この辺りの描写は、原作も脚色もそれぞれのアプローチで楽しめる。物語半ばにして多宝丸との決着を付ける原作は、両親(景光と百合)との別離で幕を下ろすクライマックス。一方、多宝丸との関係を最後まで活かす脚色の方は、因果応報的なコントラストで両親を葬り去るクライマックスだが、そんな対照的な情景の中でもテーマのエッセンスはキッチリと活かされていた。
鑑賞以前、最も気になったと云えば、原作ではどろろと百鬼丸を決別させていたクライマックス。結果的にはハッピーエンドだったこちらの脚色だが、この辺りは、どろろを年頃で描くそもそもの時点でのお約束事。「残り二十四体」とアピールするテロップは、続編を示唆していた事に他ならないが、景光との因縁を完結させてしまった以上、こちらのルートでは新たな構想も必至。恐らくは、百鬼丸も留守の中、国を治める多宝丸に妖怪が付け入る中での新たな因縁を基軸にするようなストーリーになるはずだが、ここで鬼門となるのは、どろろと百鬼丸のロマンスを描くモチーフ。アプローチ次第ではファンにそっぽを向かれる事も必至のこのモチーフ、どのようなコントラストで昇華させるのかは今からのお楽しみと云う事で。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
塩田明彦 神田川淫乱戦争 (助監督)
露出狂の女(ov) (監督)
月光の囁き (脚本/監督)
どこまでもいこう (脚本/監督)
ギプス (脚本/監督/編集)
黄泉がえり (脚本/監督)
害虫 (監督)
帰ってきた!刑事まつり (監督)
カナリア (脚本/監督)
この胸いっぱいの愛を (脚本/監督)
どろろ (脚本/監督)
製作
Produced by
平野 隆 黄泉がえり
害虫
ゼブラーマン
この胸いっぱいの愛を
Life 天国で君に逢えたら
憑神
どろろ
共同プロデューサー
Co-Produced by
下田淳行 復讐 THE REVENGE 運命の訪問者
復讐 THE REVENGE 消えない傷痕
CURE キュア
蛇の道
蜘蛛の瞳
カリスマ
降霊 KOUREI (tv)
回路
ドッペルゲンガー
黄泉がえり
どろろ
原作漫画
Based on the comic by
手塚治虫 鉄腕アトム
ビッグX
ジャングル大帝
W3 ワンダースリー
マグマ大使
リボンの騎士
悟空の大冒険
バンパイヤ
どろろ (1969)
ふしぎなメルモ
海のトリトン
ミクロイドS
火の鳥
三つ目がとおる
ブラック・ジャック
脚色
Screenplay by
NAKA雅MURA 岸和田少年愚連隊 望郷
中国の鳥人
大怪獣東京に現わる
ドラゴンヘッド
スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ
どろろ
塩田明彦 * 監督も兼任
撮影
Cinematography by
柴主高秀 大いなる幻影 Barren Illusion
降霊 KOUREI (tv)
アカルイミライ
スウィングガールズ
深呼吸の必要
歌謡曲だよ、人生は
どろろ
編集
Edited by
深野俊英 昭和歌謡大全集
Jam Films
この世の外へ クラブ進駐軍
カナリア
どろろ
美術
Production Design by
丸尾知行 どついたるねん
復讐 THE REVENGE 運命の訪問者
復讐 THE REVENGE 消えない傷痕
CURE キュア
蛇の道
蜘蛛の瞳
カリスマ
降霊 KOUREI (tv)
回路
ドッペルゲンガー
黄泉がえり
どろろ
VFXディレクター
VFX Director
鹿住朗生 どろろ
VFXプロデューサー
VFX Producer
浅野秀二 回路
黄泉がえり
アカルイミライ
LOFT ロフト

どろろ
アクション監督 程小東
チン・シウトン
Ching Siu-Tung
チャイニーズ・ゴースト・ストーリー
テラコッタ・ウォリア 秦俑
スウォーズマン 女神復活の章
冒険王
少林サッカー
HERO
沈黙の聖戦
どろろ
アクション指導 下村勇二 VERSUS ヴァーサス
修羅雪姫
地獄甲子園
ALIVE アライヴ
デス・トランス (脚本/監督/編集)
SHINOBI
どろろ
衣装デザイン
Costume Design by
黒澤和子 八月の狂詩曲
まあだだよ
雨あがる
海は見ていた
座頭市
怪談
どろろ
音楽
Music by
安川午朗 死んでもいい
ヌードの夜
夜がまた来る
天使のはらわた 赤い閃光
GONIN
GONIN2
フリーズ・ミー
OUT
花と蛇
フライ,ダディ,フライ
どろろ
福岡ユタカ どろろ
挿入曲
Various Music
Tuvan Internationale - (Written by) Kaigai-ool Khovaiyg
フェイク - Mr.Children
キャスト
Cast
配役
Plays
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