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Earthquake
大地震 (1974) USA 123min.
Introduction 序盤アウトライン
スチュワート・グラフは、義父の経営する大手建設会社で副社長に就いているが、彼を蔑む妻レミーとの結婚生活も破綻寸前と云う状況下、その会社での立場も微妙なものとなっていた。そんなある朝、スチュワートとレミーが口論を交わしていた最中に地震が発生、その大きな揺れは、微震と呼べるようなものではなかった。やがて、加州地震研究所によって弾き出された予測データは、次の余震が起きた後、その48時間以内にマグニチュード8の大地震が襲来すると云う非常事態を指し示すものだった。研究所のストックル博士によって市長への連絡が取られた頃、遂に2度目の余震が発生、それは、未曾有の大惨事へ向うカウントダウンが開始された瞬間だったーー
Various Note メモ
1974年ハリウッドのチャイニーズシアターで行われたプレミア試写会のテスト上映の際、作品の売りでもあった「センサラウンド」を試した所、1600ワットの音響システムにより漆喰塗りのシアターの壁にヒビが入ってしまった事を受けて、その試写会本番では、崩れ落ちる破片から客席の安全を確保すべく大規模なネットが用意された。
劇中で「ハリウッド・ダム」として登場するダムは、著名なエンジニアであるウィリアム・マルホランドの名前から引用された「マルホランド・ダム」と云う名称で知られている場所である。作品で描かれているダム決壊のモチーフは、1928年3月12日に決壊し450名を越える犠牲者を出した加州ヴァレンシアの「セント・フランシス・ダム」での惨劇をモデルにしたもの。この災害は1906年のサンフランシスコ大地震に次ぐ大惨事として記録されている。
コンクリートブロックや重い鉄パイプを避けると云う危険なスタントを自身でこなしたエヴァ・ガードナーだが、実は、これらのスタントアクションも、かつてはスター中のスターだったガードナー自身の強い要望で実現したもので、その光景には、監督のロブソンも驚かされたと云う。そのガードナーの父親を演じたローン・グリーンが15年生まれ、22年生まれのガードナーとの年齢差は僅か7歳違いと云う事になるが、劇中では親子として登場。
本作には30分を超える未公開映像が存在すると云われているが、その内容は、夫妻を演じるチャールトン・ヘストンとエヴァ・ガードナー、警官ルー(ジョージ・ケネディ)、ヴァンス医師(ロイド・ノーラン)と云った面々を捉えたカットが中心だと云う。また、被災場面の追加分として撮影されたスタントシークエンスも割愛されているが、後年、TV公開されたヴァージョンでは、地震の最中に着陸する旅客機などを捉えたシークエンスを追加、十数分間分の未公開シーンが陽の目を見ている。
実は、全く逆の結末を迎えるはずだったと云うヘストンだが、そのオリジナル脚本での内容が訂正されたと云うのも、ヒーローとして扱われる事に嫌気が差していたと云うヘストン自身の意向が酌まれたものだった。
アフロヘアーが何とも微妙な印象の美人女優ヴィクトリア・プリンシパルだが、彼女演じるローザが「荒野のストレンジャー」を鑑賞している最中から始まる大地震を捉えた約9分間に及ぶシークエンスは、正に空前の迫力と云った所。エレベーターでの断末魔を表現するカットや、フレームを揺らすだけと云ったカットには時代性を感じるものの、実際に建造された数多くの撮影セットが叩き壊される迫力は、昨今の演出レベルと比較しても遜色を感じるものではない。優れたテクノロジーを駆使した昨今のような視覚効果には頼れるような時代でもなかった為に、むしろ、資金と労力のみでカヴァーされた特撮演出には昨今の作品群では味わえない迫真性を感じる。ヘストンの勤務先社屋近辺のビル(J&Bスコッチの看板のビルなど)が倒壊する場面やダム決壊などを捉えた場面、その緻密な模型と合成写真をリンクさせる事で実現した迫力ある映像は、正に特筆すべき所。
本作が公開された前後数年間に公開された「ポセイドン・アドヴェンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」、そのド迫力の特撮シークエンスで描かれる緊張感に加えて、重厚な人間ドラマが加味さえたこれらの傑作作品と比較される事も多い本作だが、一隻の船やビルディングと云う限定された舞台背景とは異なり、市街地全域を背景にしていたと云う事を考慮すれば、比較する事自体がナンセンスと云った所。その舞台背景を一つのロケーションに限定するような場合、特撮の演出も的を絞れるものになり、加えて人間ドラマのモチーフに時間を割り当てる事も容易になる訳だが、被災を受けた市街地全土をその舞台にする本作の場合、決壊するダムや、スポットを当てられる市街地各所での描写にも手を抜く事が許されぬままに時間が費やされる為に、それぞれに描き出される人間ドラマのモチーフにも的を絞りきれぬと云った印象に終始しているのである。
ただ、序盤からの約50分間で描き出されるスローペースの人間模様も安易に割愛出来るものではなく、仮に、大きく短縮するような事にでもなれば、シナリオは致命的なダメージを負ってしまう。大迫力のシークエンスに加えて、助ける者や助けられる者、正気を逸脱する者など、それぞれの登場人物たちによるそれぞれのモチーフも整然と帰結されている事を考慮すれば、大地震と云う広域でのパニック状況を背景に描いた作品としては、その時代性を考慮しても大成功だったと断言出来る。
「バーの片隅に座る酔っ払い」と記されただけの脚本で撮影に臨んだと云うウォルター・マッソー、あのユーモラスなカットについては、悲劇的コントラストにも僅かながらの救いを与えられると云った程度に止まるものだが、実はこの作品、思わず笑えると云うカットが他のシークエンスで登場する。ヘストンの勤務先で社長秘書をするバーバラは、我先にと急ぐミスター・キャメロンによってエレベーターから押し出されてしまった事で、結果的には、命拾いをした訳だが、その状況をバーバラから聞かされた社長が、エレベーターで惨死した部下のキャメロンについて「彼は、生まれて初めて良い事をしたのではないか?」と飄々とした表情でコメントを放つ。これでは、笑うしかないと云った所だが、このダイアローグが陽の目を見たこと自体、不可思議としか云いようがない。
後の「X-ファイル」ではディープ・スロートとして知名度を得るジェリー・ハーディンもノークレジットで顔を出しているが、生存者たちが避難先として集まるビルの階段を移動するエキストラの一人で台詞も一本登場する長身の男性は、後の「リーサル・ウェポン2」でギブソンの敵役として登場するデリック・オコナーのようにも見える。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
製作と監督
Produced & Directed by
マーク・ロブソン
Mark Robson
六番目の幸福 The Inn of the Sixth Happiness
名誉と栄光のためでなく Lost Command
雨の日にふたたび Limbo
アバランチエクスプレス Avalanche Express
製作総指揮
Executive Producer
ジェニングス・ラング
Jennings Lang
恐怖のメロディ Play Misty for Me
フロント・ページ The Front Page
脚本
Written by
マリオ・プーゾ
Mario Puzo
ゴッドファーザー The Godfather
スーパーマン Superman
ジョージ・フォックス
George Fox
 
撮影
Cinematography by
フィリップ・H.ラスロップ
Philip H. Lathrop
エアポート'75 Airport 1975
ストリートファイター Hard Times
編集
Edited by
ドロシー・シペンサー
Dorothy Spencer
クレオパトラ Cleopatra
サーカスの世界 Circus World
特殊効果
Special photographic effects
アルバート・ホイットロック
Albert Whitlock
007 ダイヤモンドは永遠に Diamonds Are Forever
スティング The Sting
イルカの日 The Day of the Dolphin
美術
Production Design by
アレキサンダー・ゴリツェン
Alexander Golitzen
黒い罠 Touch of Evil
スパルタカス Spartacus
セット装飾
Set Decoration by
フランク・R.マッケルヴィー
Frank R. McKelvy
ザーレンからの脱出 Escape from Zahrain
ヒンデンブルグ The Hindenburg
衣装デザイン
Costume Design by
バートン・ミラー
Burton Miller
セクシー・ダイナマイト Kitten with a Whip
誇り高き戦場 Counterpoint
音楽
Music by
ジョン・ウィリアムズ
John Williams
ポセイドン・アドベンチャー The Poseidon Adventure
タワーリング・インフェルノ The Towering Inferno
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
チャールトン・ヘストン
Charlton Heston
Stewart Graff 猿の惑星 Planet of the Apes
ソイレント・グリーン Soylent Green
エアポート'75 Airport 1975
エヴァ・ガードナー
Ava Gardner
Remy Royce-Graff ショー・ボート Show Boat
北京の55日 55 Days at Peking
ジョージ・ケネディ
George Kennedy
Sgt. Lew Slade 大空港 Airport
エアポート'75 Airport 1975
ローン・グリーン
Lorne Greene
Sam Royce 拳銃の罠 The Trap
ボナンザ Bonanza (tv)
ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド
Geneviève Bujold
Denise Marshall まぼろしの市街戦 Le roi de coeur
1000日のアン Anne of the Thousand Days
トロイアの女 The Trojan Women
リチャード・ラウンドトゥリー
Richard Roundtree
Miles Quade 黒いジャガー Shaft
黒いジャガー アフリカ作戦 Shaft in Africa
マージョー・ゴートナー
Marjoe Gortner
Jody 巨大生物の島 The Food of the Gods
メイデイ40,000フィート Mayday at 40,000 Feet! (tv)
バリー・サリヴァン
Barry Sullivan
Dr. Willis Stockle 悪人と美女 The Bad and the Beautiful
夕陽に向って走れ Tell Them Willie Boy Is Here
ロイド・ノーラン
Lloyd Nolan
Dr. James Vance 裏切り鬼軍曹 Sergeant Ryker
大空港 Airport
ヴィクトリア・プリンシパル
Victoria Principal
Rosa Amici ロイビーン The Life and Times of Judge Roy Bean
ダラス Dallas (tv)
ウォルター・マッソー
Walter Matthau
Drunk マシンガン・パニック The Laughing Policeman
フロント・ページ The Front Page
サブウェイ・パニック
 The Taking of Pelham One Two Three
モニカ・ルイス
Monica Lewis
Barbara 突破口! Charley Varrick
エアポート'77 バミューダからの脱出 Airport '77
ガブリエル・デル
Gabriel Dell
Sal Amici 汚れた顔の天使 Angels with Dirty Faces
マジック・ボーイ The Escape Artist
ペドロ・アルメンダリス・Jr
Pedro Armendariz Jr.
Officer
Emilio Chavez
死の追跡 The Deadly Trackers
大襲来!吸血こうもり Chosen Survivors
ロイド・ゴフ
Lloyd Gough
Bill Cameron 刑事マディガン Madigan
ダラスの熱い日 Executive Action
ジョン・ランドルフ
John Randolph
Mayor Lewis 猿の惑星・征服 Conquest of the Planet of the Apes
セルピコ Serpico
キップ・ニーヴン
Kip Niven
Walter Russell ダーティハリー2 Magnum Force
エアポート'75 Airport 1975
スコット・ハイランズ
Scott Hylands
Max, Assistant
Dam Caretaker
屋根の上の赤ちゃん Daddy's Gone A-Hunting
燃えよ!カンフー Kung Fu (tv)
タイガー・ウィリアムズ
Tiger Williams
Corry Marshall ハンコック家の人々 The Dark Side of Innocence (tv)
ドナルド・モファト
Donald Moffat
Dr. Harvey Johnson 対決 Showdown
電子頭脳人間 The Terminal Man
ジェリー・ハーディン
Jerry Hardin
Man * ノークレジット
レッズ Reds
ミッシング Missing
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