Return To Top
All the President's Men
大統領の陰謀 (1976) USA 138min.
Introduction 序盤アウトライン
1972年6月17日、土曜日。午前2時30分、ワシントンのウォーターゲイト・ビル5階にある民主党全国委員会本部に5人の不審者が侵入、警備員の通報により逮捕された5人は、元CIA諜報部員と共和党の大統領再選本部に籍を置く現役の対策員メンバーと云う驚愕の顔ぶれだった。前代未聞の事件を受けたワシントン・ポスト紙のベテラン記者カール・バーンスタインは、局長以下の幹部たちが事態の推移を慎重に見守る中、情報収集に奔走する。一方、保釈認定の為の予審が行われる裁判所に足を運んだ同局の新人記者ボブ・ウッドワードは、被告側の弁護人席に政府筋の弁護士が顔を連ねている事に疑念を抱くと同時に、CIAを辞職して間もないメンバーが侵入者に含まれていると云う事実から、再選を熱望するシンパたちの単独的犯行とする公式会見には、大きな偽りがあると確信するのだったーー
Various Note メモ
劇中に登場するウォーターゲイト・ビルの警備員は、実在の事件の際に異変を察知し警察への通報を遂行した警備員フランク・ウィルズ氏本人である。
「真夜中のカーボーイ」や「イナゴの日」で知られる英国人監督のジョン・シュレシンジャーも本作のオファーを受けていたが、英国人の出る幕ではないと云う理由で辞退している。
77年1月から第39代目大統領の任期に就いたジミー・カーター氏は、在籍中に観た最初の映画が本作だったと云うコメントを残している。
June 1,1972とタイプライターで打たれる冒頭のカットは、実際のタイプ音に銃の発砲音を合成する効果によって、言葉は武器になると云う事を如実に表現したもの。
撮影の際、ロケーションとしてのワシントン・ポスト編集室への入室は拒否されているが、45万ドルを投じて再現された編集室のセットには、編集室に貯蔵されている様々なアイテムが持ち込まれている。これは、入室は拒否したもののリアリティを追及して欲しいと云うワシントン・ポストの意向によるものだったと云う。
1980年には離婚してしまったカール・バーンスタインと「めぐり逢えたら」「ユー・ガット・メール」等の監督作で著名な女流監督ノーラ・エフロンだが、二人の出会いは、ウォーターゲイト事件が明るみとなった頃である。
犯人の一人に送金されていた2万5千ドル小切手に署名をした再選委員会募金係のケネス・ダールバーグにウッドワードが電話をするカットで、問い詰められたダールバーグが電話を切る際に放たれる「隣の奥さんが誘拐されて大変なんだ」と云うセリフは、ダールバーグの口を吐いて出たその場凌ぎの嘘のようにも感じられるものだが、実は嘘ではない。この電話をかける数日前の1972年7月27日、実在のダールバーグ氏が家族ぐるみで親しくしていた隣家の大実業家パイパー氏の妻ヴィージニアさんが実際に誘拐されていたもので、パイパー氏が100万ドルの身代金の支払いに応じた為に、この電話の2日後にミネソタ州ダルース市でヴァージニアさんも開放されたと云う実在した顛末だったのである。
この誘拐事件はウォーターゲイトとは何の関連もないもので、通常の脚色であれば「今は忙しい」などと云ったラインに差し替えられるものを、敢えて「隣の奥さんが誘拐された」と云った聞き手にしてみれば違和感を覚えるラインが挿入されている訳だが、要は、事件を追跡していたウッドワード氏が体験した顛末、その詳細までもが忠実に再現されていたと云う事である。
ディープ・スロートの正体については、FBI副長官マーク・フェルト、FBIの2名、ロバート・フィンチ、元大統領顧問アレクサンダー・ハイグ、国務長官ヘンリー・キッシンジャーにまでその可能性が示唆されていたもので、脚本のウィリアム・ゴールドマンによれば、実際にコンタクトを取っていたウッドワードは、ディープ・スロートの素性はもとより年齢や容姿についての漠然としたイメージすら洩らす事が無かったと云う事だが、ウッドワードは「一つだけ確信を持って言える事は、我々は彼の事を話題にするほど賢くはないと云う事だ」と云う実に意味深な台詞を残していた。攻撃を恐れるのであれば「賢く」では無く「愚か」と云う言い回しになる所だが、つまり、正体を明かしてしまうような事があれば、いくら賢く立ち回ろうとも再生出来ないまでの窮地に追い込まれると云う事か、もしくは、正体が明るみになった局面に於いて、ディープ・スロート氏をカヴァー出来るような知恵は持ち合わせていないと云う事か、何れにせよ、実に意味深な発言として取り沙汰されていたものである。
だが、遂に、05年5月31日、その当時から最右翼として名前が挙げられていた元FBI副長官のマーク・フェルトから月刊誌「ヴァニティー・フェア」を通してその正体がカミングアウトされてしまった訳である。ウォーターゲート事件が明るみに出る直前だった72年5月、48年間もの長きに亘りFBIを牛耳っていたJ.エドガー・フーバーが死亡した事を受けて噴出したニクソンとFBIフーバー派の全面戦争がウッドワードへの情報提供と云う行為の背景にあった事も明らかになった訳だが、フーバー亡き後の長官の椅子にニクソンの腹心だった司法次官のパット・グレーが居座ったと云う権力抗争と云った理由だけに留まっていたものではなく、ニクソンによってFBI体制が刷新される事で、過去のあらゆるFBIの違法行為が白日の下に晒されると云う事を危惧したフーバー派がニクソンの失脚を図ると云う生死を賭けた状況にも近いものだったと推察される。
その正体に気付いていたウッドワードが情報源の一切について口を閉ざしていたと云う事については、その当時の心境を推察するにも容易い所で、ニクソンとFBIフーバー派による熾烈な状況が取り沙汰される中、ディープ・スロートの正体はFBI筋の人間と云った事実を明かしてしまえば、その情報にも信憑性が失われてしまうと云った事だったと思われる。これらの背景を踏まえれば、先述のウッドワードによるコメントの真意も容易に理解出来る。
フィクショナライズされたモチーフが皆無と云う作品だが、国家機密レベルのタブーを扱った作品は数多くあれど、体験手記に基づく事実構成のみで映像化された作品と云うのも実に珍しい。製作当時の大統領フォードは、次期大統領選が終わるまでは公開してはならないと云う緘口令を敷いていたらしいが、そのデリケートな状況については、終盤でディープ・スロートによって明かされている通りである。事件に関与していた人物があまりにも広範囲に亘っていた為である。事実が明らかにされてしまった以上、ニクソンを追い落とす為のシナリオにマスコミも踊らされていたと云った印象も否めないが、ニクソン側の出方次第では、末端のパフォーマーたちの命運も変わっていたとも思える微妙な状況だったと云う事に違いはない。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
アラン・J.パクラ
Alan J. Pakula
コールガール Klute
パララックス・ビュー The Parallax View
ソフィーの選択 Sophie's Choice
製作
Produced by
ウォルター・コブレンツ
Walter Coblenz
候補者ビル・マッケイ The Candidate
スペースキャンプ SpaceCamp
原作
Based on the novel by
カール・バーンスタイン
Carl Bernstein
* ワシントン・ポスト紙の記者
以下は、出演した番組
"Inside Deep Throat" (Bernstein)
"Watergate Plus 30: Shadow of History" (Woodward)
ボブ・ウッドワード
Bob Woodward
脚本
Screenplay by
ウィリアム・ゴールドマン
William Goldman
明日に向って撃て!
 Butch Cassidy and the Sundance Kid
華麗なるヒコーキ野郎 The Great Waldo Pepper
撮影
Cinematography by
ゴードン・ウィリス
Gordon Willis
パララックス・ビュー The Parallax View
ゴッドファーザーPARTⅡ The Godfather: Part II
編集
Edited by
ロバート・L.ウォルフ
Robert L. Wolfe
ゲッタウェイ The Getaway
電子頭脳人間 The Terminal Man
美術
Production Design by
ジョージ・ジェンキンズ
George Jenkins
パララックス・ビュー The Parallax View
ナイトムーブス Night Moves
セット装飾
Set Decoration by
ジョージ・ゲインズ
George Gaines
シャンプー Shampoo
マラソン マン Marathon Man
音楽
Music by
デイヴィッド・シャイア
David Shire
カンバセーション 盗聴 The Conversation
サブウェイ・パニック
 The Taking of Pelham One Two Three
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ダスティン・ホフマン
Dustin Hoffman
Carl Bernstein パピヨン Papillon
レニー・ブルース Lenny
マラソンマン Marathon Man
ロバート・レッドフォード
Robert Redford
Bob Woodward スティング The Sting
華麗なるギャツビー The Great Gatsby
コンドル Three Days of the Condor
ジャック・ウォーデン
Jack Warden
Harry M. Rosenfeld 十二人の怒れる男 12 Angry Men
シャンプー Shampoo
マーティン・バルサム
Martin Balsam
Howard Simons サブウェイ・パニック
 The Taking of Pelham One Two Three
パニック・イン・スタジアム Two-Minute Warning
ハル・ホルブルック
Hal Holbrook
Deep Throat ボクサー The Great White Hope
ダーティハリー2 Magnum Force
ジェイソン・ロバーズ
Jason Robards
Ben Bradlee 裸足のイサドラ Isadora
ジョニーは戦場へ行った Johnny Got His Gun
ジェーン・アレクサンダー
Jane Alexander
Judy Hoback, Bookkeeper ボクサー The Great White Hope
センチュリアン The New Centurions
メレディス・バクスター
Meredith Baxter
Debbie Sloan ベン Ben
ビタースイート・ラブ Bittersweet Love
ネッド・ビーティ
Ned Beatty
Martin Dardis 脱出 Deliverance
ラスト・アメリカン・ヒーロー The Last American Hero
スティーブン・コリンズ
Stephen Collins
Hugh W. Sloan, Jr. スター・トレック Star Trek: The Motion Picture
ジャンピン・ジャック・フラッシュ Jumpin' Jack Flash
ペニー・フラー
Penny Fuller
Sally Aiken ビバリー・ヒルビリーズ じゃじゃ馬億万長者
 The Beverly Hillbillies
ザ・ターゲット Shadow Conspiracy
ジョン・マクマーティン
John McMartin
Scott, Foreign Editor ブルベイカー Brubaker
ミッドナイトクロス Blow Out
ロバート・ウォーデン
Robert Walden
Donald H. Segretti ホスピタル The Hospital
激怒 Rage
フランク・ウィルズ
Frank Wills
Himself
Watergate
Security Guard
* 事件当夜、実際に侵入犯を通報した
 ウォーターゲートビルの警備員
F.マーレイ・エイブラハム
F. Murray Abraham
Sgt. Paul Leeper セルピコ Serpico
スカーフェイス Scarface
アマデウス Amadeus
デイヴィッド・アーキン
David Arkin
Eugene Bachinski M★A★S★H マッシュ MASH
ナッシュビル Nashville
ヘンリー・カルバート
Henry Calvert
Bernard L. Barker さらば冬のかもめ The Last Detail
ファントム・オブ・パラダイス Phantom of the Paradise
ドミニク・チャイアニーズ
Dominic Chianese
Eugenio R. Martinez ゴッドファーザーPARTⅡ The Godfather: Part II
狼たちの午後 Dog Day Afternoon
リンゼイ・クローズ
Lindsay Crouse
Kay Eddy スラップ・ショット Slap Shot
評決 The Verdict
ヴァレリー・カーティン
Valerie Curtin
Miss Milland アリスの恋 Alice Doesn't Live Here Anymore
大陸横断超特急 Silver Streak
フランク・ラティマー
Frank Latimore
Judge 太陽がいっぱい Plein soleil
パットン大戦車軍団 Patton
ポリー・ホリデイ
Polly Holliday
Dardis' Secretary デキシー・ダンスキングス
 W.W. and the Dixie Dancekings
グレムリン Gremlins
邦題タイトル一覧 Domestic Title List
原題タイトル一覧 Original Title List
製作年度別一覧 Production Year's List
キーワード別一覧 Various Categories
リンクのページ Excellent Links
サイト掲示板 bbs
管理人の部屋 Webmaster
更新履歴 Update - Blog

作品のチラシ画像 Here's Flyer Images
現時点で入手が可能な
作品の関連アイテム
トップページへ Go To The Top Page 邦題リストへ Go To The Domestic Title List 原題リストへ Go To The Original Title List 製作年度別リストへ Go To The Production Year's List キ-ワード別一覧へ Go To The Various Categories
Copyright Flyer's Nostalgia - Authored by clockrestorange
All trademarks and copyrights on this page are owned by their respective owners.