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Schindler's List
シンドラーのリスト (1993) USA 195min.
Introduction 序盤アウトライン
1939年、ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーは、ドイツ軍のクラクフ侵攻と共に軍用ホーロー容器製造事業に着手、その無償の労働力として集められたユダヤ人たちの働きにより事業は順風満帆な成功を収めていた。43年、ポーランドのユダヤ人隔離居住区として区画されたゲットーの解体に伴い、収容所へのユダヤ人移送が開始されるが、その収容所での無差別に繰り広げられる惨状に耐えかねたシンドラーは、生産効率の向上という名目で、多数のユダヤ人労働者を救出しようと試みるのだがーー
Various Note メモ
レイフ・ファインズが演じるゲート少尉には、ティム・ロスの名前もリストアップされていた。また、主役のシンドラーには「ベルリン・天使の詩」のブルーノ・ガンツやハリソン・フォードらもリストアップされていたが、余りにもヒーロー然とした固定イメージを持っていたフォードについては、オファーの動きもないままに候補リストから外されている。
また、決定直前には、ステラン・スカルスガルドが最有力候補としてリストアップされていたと云うシンドラー役だが、実は、本作の製作が持ち上がっていたその時期、最終的に役を得るニーソンは、世紀を越えてようやく陽の目を見る事になった「エクソシスト ビギニング」のキャストとしてその製作に関わっていたもので、その配役を降板してシンドラーの役を得たニーソンと入れ替わる形で、ステラン・スカルスガルドが「エクソシスト ビギニング」で主役を得たと云う経緯を辿っている。10余年にも渡る交代劇だった訳である。
本作の監督候補として80年代より名前の挙がっていたと云うマーティン・スコセッシだが、ユダヤ人監督のように的確な仕事は出来ないとの理由で辞退、スピルバーグに話が持ち上がったものだった。その結果、スピルバーグが企画していた「恐怖の岬」のリメイク「ケープ・フィアー」を、スコセッシが譲り受ける形になっている。
また、本作の企画を得たスピルバーグは、8歳当時にゲットーでの生活を体験、母親はアウシュビッツで殺害され、自身は粛清が行われるその最中に逃げ延びたと云う体験を持つロマン・ポランスキーに監督を依頼していた。この際には、個人的なテーマに偏りすぎていると云う理由で断りを入れたポランスキーだが、周知の通り、後の監督作品「戦場のピアニスト」では、自身の目撃体験なども絡めたリアルな演出で成功を収めている。
1ページで終わる程度のものだったと云うクラクフでの粛清を描写したモチーフだが、スピルバーグは、当初の脚本を量にして20ページ、時間にして20分にも及ぶモチーフとして書き直している。
また、スピルバーグは、本作のオリジナル言語をポーランド語とドイツ語にしたいと考えていたが、精通していない言語での正確な表現は不可能との判断で英語に切り替えている。
アウシュビッツでのシークエンスでは、屋内での撮影許可が下ろされなかった為に、そのすぐ隣接する敷地外の土地に精巧なセットが組み立てられている。関係者によれば、その精巧な出来映えは、鏡に映っているかのような印象だったと云う。
エンドロールの際に石の頂点に添えられる花は、スピルバーグによるものだと言う噂も流れていたが、実は、ニーソンによるものだった。また、「黄金のエルサレム」と云う歌が使用されていた当初の劇場公開版でのエンドロールだが、実は、欧州大戦終結から20年以上も経過した67年に作曲された大衆曲だった為に、これを聞いたイスラエル人の観客達の失笑を買っている。その後のリリースヴァージョンでは、大戦中に自由の闘士と呼ばれたハナー・セネシュが作曲した"Eli Eli"と云う曲に差し替えられている。
スピルバーグは本作の仕事についての報酬は一切得ていない。彼によれば、"blood money"との事だが、数多くの無実の人々の血が流されたと云う史実を伝えるものに報酬は不適切だと云う解釈である。本作のロイヤリティー等に絡む収益は、今もなお世界的に繰り返されている組織的大量虐殺の生存者を保護すると云う意義の下に、94年にスピルバーグが設立した「ショア財団」に寄与されているが、財団では、世界各国のホロコースト生還者の証言を記録、データベース化し、博物館や教育機関、そして非営利団体などでもオンラインで利用出来ると云うサービスを実施している。データベースには、既に5万人分の証言が記録されていると云う。
序盤のナイトクラブのシークエンスで登場する製作者のブランコ・ラスティグだが、彼はアウシュビッツからの生還者である。82年の「ソフィーの選択」や85年に製作された10時間近くにも及ぶドキュメント作品「SHOAHショア」など、ラスティグは、ホロコーストを題材にした多くの作品の製作にも携わっている。
撮影に臨まんとしていたスピルバーグは、"God afton, Herr Wallenberg - En Passionshistoria från verkligheten"と云う90年製作の映像作品を6度に渡り鑑賞したと言われている。この作品は、第二次大戦中ドイツ支配下のブダペストへやって来たスウェーデン人が、ユダヤ系ハンガリー人をスウェーデンへと亡命させると云う実話を基にした物語である。
原作者であるトーマス・ケニアリーだが、その執筆を巡る話は1980年まで遡る。その80年の10月、新作の契約を済ませてオーストラリアの自宅へ帰る途中だったケニアリーは、ビバリーヒルズのカバン店に立ち寄るが、実は、そのカバン店のオーナー、レオポルド・フェッファーバーグは、シンドラーに助けられた約1200人の内の一人で、ケニアリーは、その取材を兼ねて訪店したのだった。ケニアリーは、購入したカバンのクレジットカードの処理が行われている間に、その創作意欲を掻き立てる数多くのドキュメント資料などが陳列されている二つのキャビネットがある裏部屋に通されるが、今まで訪れた数多くの作家や映画製作者にも既に話し尽くしたと云うフェッファーバーグの言葉に興醒めした事から、そのアイディアも棚上げに。
その後、ようやく書き上げられたケニアリーの短編著書を映像化するスピルバーグだが、当初のシナリオは「スクープ・悪意の不在」「愛と哀しみの果て」などのカート・リュードックに依頼されたものだった。しかし、4年間の歳月を経ても書き下ろせなかったと云うリュードックは降板している。
本作には2万人のエキストラが出演しているが、その劇中でエキストラの面々が着用している衣装は新たに作成されたものではなく、広告募集で集められた古着が使われている。経済的な貧困状態が続いていたポーランドでは、30-40年当時の衣類でもそのまま保存していたと云う家庭が殆どだった為に、募集広告の掲載後には瞬く間に集まってしまったものだったと云う。
93年度のアカデミーでは、作品賞、監督賞、脚色賞、撮影賞、作曲賞、美術賞、編集賞と計7冠を達成した本作だが、モノクロ作品でのアカデミー最優秀作品の受賞は、60年の「アパートの鍵貸します」以来の事だった。
シンドラーが所有していた本物のユダヤ人リスト、いわゆる「シンドラーのリスト」は、本作が公開されてから7年後の2000年、フランクフルトのHildersheimにあるフラットの室内で発見されている。そのフラットは、74年10月9日に他界したシンドラーがその晩年の数ヶ月間を過ごしていた場所だが、リストは、ベッドの下に隠されたブリーフケースから発見されている。
労働証明証を忘れた為にアウシュビッツ行きの列車に乗せられようとしていたイツァーク・シュターン(キングズレイ)を救い出すシンドラーだが、その後のカットでドイツの兵隊達がユダヤ人の家財を整理分類しているカットが登場する。そこで映し出される山積された写真の中の一枚はアンネ・フランクの写真である。
その全てのシークエンスが強烈極まりない。黒澤監督の「天国と地獄」でもその効果が立証されたパートカラーのカットも鮮烈。鑑賞後、間もなくしてシンドラー氏のドキュメント作品も見たが、実に興味深い内容だった。ゲート少尉の下でメイドとして働かされていたヒルシュ氏本人のインタビューなども含むものだったが、氏が語る所によれば、その収容所での惨状は、劇中での描写にほぼ近いものだったと云う。
作品の公開後、様々な意見感想を耳にした。中には、私腹を肥やそうとしていたシンドラーが、ユダヤ人を偶然救う形となった顛末に賞賛は必要ないと云った疑うべき感性の意見もあったりしたが、実際には、欧州大戦が終結する頃には、シンドラーは無一文だった訳である。また、シンドラー氏の私生活についてだが、作品の上映から数年後、シンドラー未亡人の方から上映の中止や版権の回収などを求める声が上がったりもしたようである。立ち入った意見を述べれる立場ではないが、たとえ派手な女性関係がその引き金となった夫婦の不仲ではあったにせよ、決して尻には敷けないタイプの男と結婚してしまったと云う事、また、尻に敷けなかった原因としての相性の問題等々、そのプライベートでの破綻の原因は完全な一方通行と言えるものではない所。ただ、その派手な女性関係と夫人が耐え忍ぶ様子は劇中でもピンポイントで描かれてしまっている為に、夫人にとっては面白くないと云う事も充分に理解は出来るもので、常識的に考えれば、後ろ指を指されるかのような感覚に近いものだったと思われるが、実際の所はどうだったのだろうか。あれが女ったらしだったシンドラーの未亡人だ!などと、後ろ指をさす人物が何人もいたとは思えないのだが。
かつて鑑賞した映画作品の劇中で最も印象に残る場面などを訊ねられても、普通であれば、その余りのアバウトな感覚に回答のしようもない所だが、個人的には真っ先に思い出されるカットが一つある。それは「ソフィーの選択」でのストリープの過去が明かされる回想のシークエンスだが、あの情緒を鷲掴みにされる強烈なカットは、忘れようにも忘れられぬと云った所。この「シンドラーのリスト」の場合、作品自体が情緒に食い込んでしまうもので、何度もリピートしながらも、その鮮烈な印象は毎回同じだったりする。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
スティーヴン・スピルバーグ
Steven Spielberg
オールウェイズ Always
インディ・ジョーンズ 最後の聖戦
 Indiana Jones and the Last Crusade
フック Hook
ジュラシック・パーク Jurassic Park
製作
Produced by
スティーヴン・スピルバーグ
Steven Spielberg
* 監督も兼任
ジェラルド・R.モーレン
Gerald R. Molen
フック Hook
ジュラシック・パーク Jurassic Park
ブランコ・ラスティグ
Branko Lustig
ウェドロック Wedlock
ハンニバル Hannibal
製作総指揮
Executive Producers
キャスリーン・ケネディ
Kathleen Kennedy
ケープ・フィアー Cape Fear
ジュラシック・パーク Jurassic Park
原作
Based on the novel by
トーマス・ケニアリー
Thomas Keneally
愛をゆずった女 Silver City
脚色
Screenplay by
スティーヴン・ザイリアン
Steven Zaillian
レナードの朝 Awakenings
今そこにある危機 Clear and Present Danger
撮影
Cinematography by
ヤヌス・カミンスキー
Janusz Kaminski
クール・アズ・アイス Cool as Ice
ザ・エージェント Jerry Maguire
編集
Edited by
マイケル・カーン
Michael Kahn
フック Hook
ジュラシック・パーク Jurassic Park
美術
Production Design by
アラン・スタルスキ
Allan Starski
僕を愛したふたつの国 ヨーロッパ ヨーロッパ
 Europa Europa
鷲の指輪 Pierscionek z orlem w koronie
衣装デザイン
Costume Design
アナ・B.シェパード
Anna B. Sheppard
インサイダー The Insider
戦場のピアニスト The Pianist
音楽
Music by
ジョン・ウィリアムス
John Williams
遥かなる大地へ Far and Away
ジュラシック・パーク Jurassic Park
挿入曲
Various Music
Billie Holiday - song "God Bless the Child"
Johann Sebastian Bach - from "English Suite No. 2"
Werner Bochmann - song "Gute Nacht Mutter"
Edward Elgar - from "La Capricieuse"
Carlos Gardel - song "Por una cabeza"
Otto Teich - from "Die Holzauktion"
Mark Warschafsky - from "OYF'N Pripeshok"
Franz Lehár - aria "Meine Lippen, sie küssen so heiß" from operetta "Giuditta"
Rezsö Seress - song "Gloomy Sunday"
キャスト
Cast
配役
Plays
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