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Jacob's Ladder
ジェイコブス・ラダー (1990) USA 115min.
Introduction 序盤アウトライン
ある日の地下鉄の車内でベトナムでの体験がフラッシュバックした事がその始まりだった。何者かに刺されると云う幻影を見たジェイコブは、普段の日常生活でも交錯し始める数々の幻覚に苛まれるようになる。あるパーティーでの最中、謎の黒人女性との手相占いの直後、強烈な幻覚を体験したジェイコブは、昏倒し高熱に喘いだ後に目覚めると、別離したはずの妻や子供の姿を目の当たりにしていた。更に次の瞬間、再び目覚めると、そこはいつもと変らぬ同棲相手ジェシーと暮らす部屋だった。自らの精神状態を危惧したジェイコブは、掛かり付けの医師のもとへ相談に向うが、あろう事かその医師は既に死亡、不可思議な事にジェイコブの通院を証明するカルテも消え去っていたーー
Various Note メモ
「ゴースト/ニューヨークの幻」「幸せの向う側」「ディープ・インパクト」等、本作以降の作品で数多くの成功を収めるブルース・ジョエル・ルービンが脚本とアソシエイト・プロデューサとして携わっているが、実は、本作のプロダクションはジョエル・ルービンが70年代の初めに一度は立ち上げていたもので、興行的には成立しないと云うレッテルを貼られ棚上げされていたその企画にエイドリアン・ラインが触手を伸ばしたと云うものである。プロダクションの再開と云う事で、ジョエル・ルービンとは二人三脚での撮影に臨んだと云う監督のラインだが、再び練られた脚本については、数々のエピソードを追加する形での執筆となっている。
以下、完全ネタバレ

これは面白かった。虚実が交錯するシークエンス展開には面食らったが、プロットの方向性は判別させないと云ったスタンスで挿入される多くの不可解なモチーフも、やがて迎える結末では明快なものとして提示されている。そのタイトルを理解していれば、結末を迎えるまでの展開がジェイコブの夢のステップなのかと判りそうな所でもあるのだが、実の所、ここではそう上手くは行かない。何故ならば、ベトナムでの体験と真しやかに綴られる現在進行のドラマと云う二つのモチーフは、その双方共に現実であると云う可能性が秘められたままに展開されるからである。通院先医師の死亡とカルテの紛失、度重なるシュールな幻覚などが繰り返される為に、これが本当に現実なのかと云う疑問も湧き上がるが、それを覆す伏線も挿入される為に、先が読めなくなるのである。
その伏線とは、ジェイコブを含むベトナム時代の仲間達が、実は政府の陰謀により実験台にされていたと云うモチーフだが、仮想現実のような空間と現実の空間を彷徨う男の超常体験と云ったプロットとして目星を付けていたものが、実に輪郭のハッキリとした伏線の登場で、その掴みかけていた方向性も完全に見失われてしまうと云う訳である。その最終場面では「事実」を提示、結果的には、明快な結末を迎える訳だが、キリキリ舞いさせられたはずの恨めしい伏線に対しても違和感は皆無と云った所。この感覚は、クオリティーの高いシナリオと演出の妙を証明するものだったと云える。
演出の妙と言えば、実はこちらの方が現実だったと云うベトナムでのシークエンス、そのジェイコブの表情を捉えたカットには、実は、周りの誰もが登場していない。言うまでもなくジェイコブ一人のカットについては、観客に提示する為の然るべき映像として映し出される訳だが、ジェイコブの視点が貫徹されているシークエンスでは、たむろしている仲間の前を横切るジェイコブ(但し、顔は映らない)や、死亡後のジェイコブと衛生兵らが遠目に映し出されたりするカットを除き、ジェイコブの表情が他の誰かの表情と同一の画面に登場すると云う事は皆無である。その結末を説得力のあるものにすべく発揮された実に秀逸な演出手腕だったと云える。
また、ダイアローグも用意された重要な配役ながらも、ノークレジットで登場するマコーレー・カルキンだが、そのカメオとして扱われていた理由は、シナリオの内容にリンクする演出効果を狙うものだったと考えられる。
その不条理な空間を象徴すべく登場するグロテスクな演出も魅力充分。特定のジャンルとしての形容は避けられるべき作品。傑作。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
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監督
Directed by
エイドリアン・ライン
Adrian Lyne
フラッシュダンス Flashdance
ナインハーフ Nine 1/2 Weeks
危険な情事 Fatal Attraction
製作
Produced by
アラン・マーシャル
Alan Marshall
エンゼル・ハート Angel Heart
ホームボーイ Homeboy
製作総指揮
Executive Producers
マリオ・カサール
Mario Kassar
エンゼル・ハート Angel Heart
トータル・リコール Total Recall
愛と野望のナイル Mountains of the Moon
エア・アメリカ Air America
アンドリュー・G.ヴァイナ
Andrew G. Vajna
脚本
Written by
ブルース・ジョエル・ルービン
Bruce Joel Rubin
ブレインストーム Brainstorm
デッドリー・フレンド Deadly Friend
ゴースト ニューヨークの幻 Ghost
撮影
Cinematography by
ジェフリー・L.キンボール
Jeffrey L. Kimball
トップガン Top Gun
ビバリーヒルズ・コップ2 Beverly Hills Cop II
編集
Edited by
トム・ロルフ
Tom Rolf
張り込み Steakout
ブラック・レイン Black Rain
美術
Production Design by
ブライアン・モリス
Brian Morris
ハンガー The Hunger
エンゼル・ハート Angel Heart
衣装デザイン
Costume Design
エレン・マイロニック
Ellen Mirojnick
危険な情事 Fatal Attraction
ブラック・レイン Black Rain
音楽
Music by
モーリス・ジャール
Maurice Jarre
いまを生きる Dead Poets Society
ゴースト ニューヨークの幻 Ghost
キャスト
Cast
配役
Plays
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