Return To Top
The Taking of Pelham One Two Three
サブウェイ・パニック (1974) USA 104min.
Introduction 序盤アウトライン
ニューヨーク。ローカル線ペラム駅を発車した123号に武装した4人組の男が篭城、それは、乗客乗員を人質に地下鉄を制圧すると云う前代未聞の地下鉄ハイジャックだった。やがて、犯行の首謀者で「ブルー」と名乗る犯人が、一時間と云う僅かな制限時間内に小額紙幣での100万ドルと云う身代金の支払いを要求、それは、制限時間を経過した場合には、超過一分につき一人が射殺されると云う非情な要求だった。地下鉄公安局警部補ガーバーは、苦渋の選択として人質保護を最優先とした措置に講じるが、地下鉄は全線が麻痺状態になり、駅々の出入口が閉鎖されてしまう。一方、ようやく100万ドルの支払いを承知したニューヨーク市長だったが、残された時間はあと僅かに迫っていたーー
Various Note メモ
ニューヨーク地下鉄公安局警部補を演じるマッソーは、生まれも育ちもNYと云う生粋のニューヨーカーだが、本作の撮影が決まった当時には、舞台となる地下鉄は、何年間も利用していなかったらしい。
本作は実際にニューヨーク地下鉄構内での撮影が敢行されているが、当初、ニューヨーク市運輸局は、地下鉄構内での撮影は拒絶、模倣犯の出現を懸念した為である。最終的には、当時のニューヨーク市長ジョン・V.リンゼイが介入する形で陽の目を見たNY地下鉄でのロケーションだが、エンドクレジットにも記載されていた通り、ニューヨーク市運輸局は一切のモチーフに繋がるような情報や技術的なアドヴァイスは一切行っていない。また、ハイジャッカーによる損害を被った場合の損害保険料7万5千ドル(その危険を担保する年数を定めた保険期間は定かではないが)と、ロケ現場としての地下鉄使用料27万5千ドル、〆て35万ドルと云う費用が製作者側に要求されている。
ちなみに98年、ヴィンセント・ドノフリオがブルー役として出演する本作のリメイク版がTVドラマとして制作されているが、あのリメイク版のロケは、NYで行われたものではなかった。本作の製作関係者によれば、そのリメイクの映像は、本物のNY地下鉄とはかけ離れたイメージの稚拙な出来だったとの事。
そのIDをカラー名で呼び合う犯人一味だが、本作と同様にカラー名をキャラクターのIDとして呼び合う92年の「レザボア・ドッグス」は、本作からインスパイアされたアイディアだったと監督のタランティーノは語っている。カラー名で名前を呼び合う作品は、英国の60年代作品にもあったような気がするが、タイトルが思い出せない。
マッソー演じる執念の人ガーバーとロバート・ショー演じるミスター・ブルーの駆け引きが最大の醍醐味と云える作品だが、4人の犯人のうち自らの寿命に心配を抱える唯一の人物グリーンの絡む絶妙なオチを捉えたクライマックスは、僅か数分間と云うシークエンスながらも、その非凡な演出センスも集約された絶妙な見せ場である。また、あのロバート・ショーの散り際を捉えたカットなどは、「ロシアより愛をこめて」でのグラントの最期にも匹敵する衝撃だった。
「ボナンザ」「逃亡者」「スター・トレック 宇宙大作戦」「インベーダー」などの日本でも人気を博していたTVシリーズのエピソード演出も手掛けていた監督のジョセフ・サージェントだが、米国ではTVドラマとして放送された「サンシャイン」(日本では劇場公開)や「アメリカを震撼させた夜」と云った傑作TVドラマの演出で手腕を発揮しながらも「0011ナポレオン・ソロ」「アフリカ大空輸」「ザ・マン 大統領の椅子(日本国内劇場未公開)」「白熱」と云った劇場長編も手掛けていた人物である。
パニック映画が全盛の時代を迎える70年代だが、極限状況下でのヒューマニズムを大きく絡める事でシナリオに起伏を与えるパニック大作と云った作品とは違い、大風呂敷を広げる事もなく直向な緊張感に終始すると云った印象の作品である。絶対的な緊迫感とは裏腹に、両サイドの人間がヴィヴィッドに描き出された演出が何より絶品と云えるシナリオだが、これは、さまざまな制限が設けられるTVドラマの演出で培われたサージェントの大衆感覚が、仰々しく構える劇場長編とは異なる形で描き出した熟練された緊張感と云った所。ちなみに「激突!」や「続・激突! カージャック」と云ったTVドラマで大人気を博したスティーヴン・スピルバーグも、本作の監督候補としてリストアップされていた。
モードを駆使したエレピのリフレインと重厚なブラスが交錯するテーマ曲も印象深いもので、ラロ・シフリンなども多用した60年代終盤から70年代を象徴するフェンダーローズのサウンドが本当に懐かしい。このサウンドトラックのスキルの高さと人間臭さは、昨今の作品では味わえぬもの。70年代のサスペンスでは屈指と云える傑作。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
ジョセフ・サージェント
Joseph Sargent
地球爆破作戦 Colossus: The Forbin Project
白熱 White Lightning
サンシャイン Sunshine (tv)
製作
Produced by
ガブリエル・カッカ
Gabriel Katzka
戦略大作戦 Kelly's Heroes
パララックス・ビュー The Parallax View
エドガー・J・シェリック
Edgar J. Scherick
愛の贈り物 Jenny
ふたり自身 The Heartbreak Kid
原作
Based on the novel by
ジョン・ゴディ
John Godey
* 原作著書「ペラム123」
怪盗大旋風 Never a Dull Moment
ジョニー・ハンサム Johnny Handsome
脚色
Screenplay by
ピーター・ストーン
Peter Stone
脱走大作戦 The Secret War of Harry Frigg
スイート・チャリティ Sweet Charity
撮影
Cinematography by
オーウェン・ロイズマン
Owen Roizman
フレンチ・コネクション The French Connection
エクソシスト The Exorcist
エンリケ・ブラーヴォ
Enrique Bravo
さよならコロンバス Goodbye, Columbus
ドク・ホリディ 'Doc'
編集
Edited by
ジェラルド・B.グリーンバーグ
Gerald B. Greenberg
フレンチ・コネクション The French Connection
ハーレム愚連隊 Come Back, Charleston Blue
ロバート・Q.ラヴェット
Robert Q. Lovett
ロールスロイスに銀の銃 Cotton Comes to Harlem
刑事コジャック Kojak (tv)
美術
Art Direction by
ジーン・ルドルフ
Gene Rudolf
ホスピタル The Hospital
華麗なるギャツビー The Great Gatsby
セット装飾
Set Decoration by
ハーバート・F.マリガン
Herbert F. Mulligan
ホスピタル The Hospital
華麗なるギャツビー The Great Gatsby
衣装デザイン
Costume Design
アナ・ヒル・ジョンストーン
Anna Hill Johnstone
ゴッドファーザー The Godfather
セルピコ Serpico
音楽
Music by
デイヴィッド・シャイア
David Shire
ふたり Two People
カンバセーション 盗聴 The Conversation
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
ウォルター・マッソー
Walter Matthau
Lt. Zachary 'Z' Garber おかしな結婚 Pete 'n' Tillie
マシンガン・パニック The Laughing Policeman
ロバート・ショウ
Robert Shaw
Mr. Blue
Bernard Ryder
007 ロシアより愛をこめて From Russia with Love
スティング The Sting
マーティン・バルサム
Martin Balsam
Mr. Green
Harold Longman
小さな巨人 Little Big Man
シンジケート The Stone Killer
ヘクター・エリゾンド
Hector Elizondo
Mr. Gray
Joe Welcome
追撃のバラード Valdez Is Coming
生き残るヤツ Born to Win
アール・ヒンドマン
Earl Hindman
Mr. Brown
George Steever
パララックス・ビュー The Parallax View
シルバラード Silverado
ジェームズ・ブロデリック
James Broderick
Denny Doyle
(motorman)
アリスのレストラン Alice's Restaurant
狼たちの午後 Dog Day Afternoon
ディック・オニール
Dick O'Neill
Frank Correll かわいい毒草 Pretty Poison
フロント・ページ The Front Page
リー・ウォレス
Lee Wallace
Al, the Mayor コールガール Klute
ホット・ロック The Hot Rock
ジェリー・スティラー
Jerry Stiller
Lt. Rico Patrone ふたりの誓い Lovers and Other Strangers
エアポート'75 Airport 1975
ネイサン・ジョージ
Nathan George
Ptl. James コールガール Klute
セルピコ Serpico
ケネス・マクミラン
Kenneth McMillan
Borough Commander セルピコ Serpico
ステップフォード・ワイフ(未) The Stepford Wives
ドリス・ロバーツ
Doris Roberts
Mayor's Wife ハネムーン・キラーズ The Honeymoon Killers
ふたり自身 The Heartbreak Kid
ジュリアス・ハリス
Julius Harris
Inspector Daniels ブラック・シーザー Black Caesar
007 死ぬのは奴らだ Live and Let Die
ジョー・セネカ
Joe Seneca
Police sergeant クレイマー、クレイマー Kramer vs. Kramer
評決 The Verdict
トニー・ロバーツ
Tony Roberts
Warren LaSalle ボギー!俺も男だ Play It Again, Sam
セルピコ Serpico
邦題タイトル一覧 Domestic Title List
原題タイトル一覧 Original Title List
製作年度別一覧 Production Year's List
キーワード別一覧 Various Categories
リンクのページ Excellent Links
サイト掲示板 bbs
管理人の部屋 Webmaster
更新履歴 Update - Blog

作品のチラシ画像 Here's Flyer Images
現時点で入手が可能な
作品の関連アイテム
トップページへ Go To The Top Page 邦題リストへ Go To The Domestic Title List 原題リストへ Go To The Original Title List 製作年度別リストへ Go To The Production Year's List キ-ワード別一覧へ Go To The Various Categories
Copyright Flyer's Nostalgia - Authored by clockrestorange
All trademarks and copyrights on this page are owned by their respective owners.