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Salvador
サルバドル 遥かなる日々 (1986) USA 123min.
Introduction 序盤アウトライン
フォト・ジャーナリストのリチャード・ボイルは、刑務所で知り合ったドクター・ロックと共にサルバドルに向っていた。入国早々の窮地も辛うじて逃れた2人だったが、サルバドルのその不安定な政情は、彼らの想像を遥かに超えたものだった。マックス少佐が率いる非道な「死の分隊」と左翼ゲリラに二分されていた80年当時のサルバドルでは、アメリカ国民である彼らに免罪符を与えるはずの政府議会も無力に等しい存在だったが、意気消沈していたリチャードも、首都サン・サルバドルでの同業者ジョンとの出会いによって、実権を握るそれぞれの勢力を取材すべく、遂にその行動を起こすのだがーー
Various Note メモ
劇中には、ロメロ大司教が暗殺されるその三週間前、80年3月3日シカゴでの共和党レーガン大統領候補による演説の模様が実写映像で挿入されている。米国がサルバドルに介入する大義名分を謳ったものである。サルバドルの左翼ゲリラ(ゲリラとは言っても実際には貧困に喘ぐ農民を中心とした武装蜂起の一団)の手には、ニカラグアやキューバ、東側のシンパからの武器供給なども一切なかったと云う現実の状況は、その劇中で描かれている通りだったのである。ちなみに、レーガンがシカゴで演説を行った3月3日、当時の米大統領だったカーターは、人権外交の一環としてハト派のホワイト大使を発令している。これも劇中に登場していたが、悲しいかな選挙に勝つのはレーガンだった訳である。
サルバドルに限らず、他の中米諸国やベトナム、朝鮮やアフガンなどへの武力介入、そのもとを糺せば東西冷戦の脅威を背景に増長した疑心暗鬼を逆手に取った薄汚い政治家の汚れきったシナリオなのである。ほぼ忠実に80年当時のサルバドルを描き出すこの映像作品は、米国の一側面としての病みきった対外政策を徹底的に糾弾している。
劇中で描かれている幾つかの事件は、その詳細が忠実に再現されているものだと思われる。劇中では、ボイル氏もマリア嬢と共に参列していた聖週間のミサの最中にロメロ大司教は殺害されているが、実際の事件は、80年3月24日午後6時25分にラ・ディビナ・プロビデンシア病院に付設したチャペルで聖週間のミサを行っていた最中に至近距離から狙撃され死亡したものである。劇中では正面から狙撃されているが、背後から狙撃されたと云う報告もあるらしい。
また、大司教の暗殺ついては、同年3月10日には未遂事件も起きていた。説教壇の後ろの祭壇から爆弾入りのアタッシェケースを発見、爆弾は不発に終わっている。
その実行犯について、劇中ではトニー・プラナが演じるマクシミリアン・カサノヴァことマックス少佐が、幹部を集めた晩餐の席で実行犯を指名すると云う形でヴィヴィッドに描かれているが、その事実報告は様々だったようである。真相委員会の報告によれば、マックス少佐の側近だったサラビアと云う軍幹部の選出した「髭」のある実行犯によるものとしており、他の報告では、国家警察のリナレス刑事をリーダーとする4人組の犯行と云う説もある。ちなみに劇中に登場する実行犯には「髭」は生えていない。
また、大司教暗殺から3日後の3月27日には、暗殺事件の捜査に当たった第4刑事裁判所のアティロ・ラミレス・アマヤ判事が自宅で暗殺団に襲われると云う事件が発生している。その後、アマヤ判事は職を辞し海外へ亡命。
大司教暗殺以外の事件では、80年5月14日の「リオ・スンプルの大虐殺」と80年12月2日修道女たちへの暴行殺害などもその劇中に登場する。ドイルがサリヴァンと共に大虐殺の現場へ取材に向うシークエンスが「リオ・スンプルの大虐殺」だと思われるが、本編では大司教暗殺より以前のひとコマとして描かれている為に、現実に虐殺が行われた5月14日とは時間設定が異なっている。その大虐殺とは、軍がチャラテナンゴ県に対する攻撃を集中的に行った際に起こされたもので、2機のヘリがラ・アラーダ村を爆撃した後に国警隊らが一斉に発砲、女性を凌辱し子供を射撃の的とすると云う信じ難い残虐行為を繰り返したものである。ただ、チャラテナンゴ県に対する攻撃は、1月頃から始まったものだという報告もあるために、劇中での描写は、その何れかの攻撃時の惨劇後を描き出したものかと思われる。
修道女たちに対する陵辱とその殺害は、劇中で描かれている通りである。これは80年12月2日に3人の修道女とボランティアも行っていた一人の修道院の信徒が、国際空港からサンサルバドルに行く途上で「死の部隊」を名乗る国警隊兵士たちに陵辱された上に殺害されたものである。その彼女達の亡骸は、翌日の12月3日にラパスのサンティアゴ・ノヌアルコで発見されている。犯人達のその後については、劇中では描かれているものではないが、事件の翌年、81年に6人の実行犯が捕らえられ、その3年後の84年、実行犯6人のうちの5人に対し禁固30年の刑が言い渡されている。サルバドルでの刑事罰としては、30年の刑が最高刑に該当するが、この修道女達への殺害を命令したと言われるマクシミリアン・カサノヴァことマックス少佐には、一切の言及はなされなかったものである。
93年の国連真実委員会の報告によれば、ガルシア国防相とカルロス・エウヘニオ・ビデス・カサノバ国警隊長官は、本事件の直後に事件のカバーアップを組織し、各方面に指示したとされている。検視もせずに検視報告書にサインをする担当検視官は、劇中にも登場。マックス少佐の従兄弟に当たるビデス・カサノバ国警隊長官は、後に国防相にまで上り詰めている。89年に引退した後は、何と、米国永住権を得てフロリダに住んでいるそうである。
劇中にも登場するジョン・サヴェージが演じる米国人フリー・ジャーナリスト、ジョン・サリバン氏の写真集が出版に至った事は、劇中のテロップでも紹介されているが、サリバン氏の遺体が発見確認されたのは、他界した80年当時から2年余り経過した83年になってからの事である。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
監督
Directed by
オリヴァー・ストーン
Oliver Stone
ミッドナイト・エクスプレス Midnight Express (screenplay)
キラーハンド The Hand
コナン・ザ・グレート Conan the Barbarian (screenplay)
スカーフェイス Scarface (screenplay)
イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
 Year of the Dragon (screenplay)
プラトーン Platoon
ウォール街 Wall Street
製作
Produced by
オリヴァー・ストーン
Oliver Stone
* 脚本と監督も兼任
ジェラルド・グリーン
Gerald Green
フォックストロット(未) Foxtrot
サンバーン Sunburn
製作総指揮
Executive Producers
ジョン・デイリー
John Daly
ターミネーター The Terminator
バタリアン The Return of the Living Dead
勝利への旅立ち Hoosiers
プラトーン Platoon
デレク・ギブソン
Derek Gibson
脚本
Written by
リチャード・ボイル
Rick Boyle
East of Elephant Rock
オリヴァー・ストーン
Oliver Stone
* 製作と監督も兼任
撮影
Cinematography by
ロバート・リチャードソン
Robert Richardson
プラトーン Platoon
ウォール街 Wall Street
編集
Edited by
クレア・シンプソン
Claire Simpson
プラトーン Platoon
ウォール街 Wall Street
美術
Production Design by
ブルーノ・ルベオ
Bruno Rubeo
プラトーン Platoon
ウォーカー Walker
衣装デザイン
Costume Design
キャスリン・モリソン
Kathryn Morrison
K2 ハロルドとテイラー K2
KILLER 第一級殺人 Killer: A Journal of Murder
音楽
Music by
ジョルジュ・ドルリュー
Georges Delerue
ジャッカルの日 The Day of the Jackal
告白 True Confessions
キャスト
Cast
配役
Plays
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Pauline Axelrod スプラッシュ Splash
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