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Jerry Maguire
ザ・エージェント (1996) USA 138min.
Introduction 序盤アウトライン
全米屈指のスポーツ・エージェント法人でその手腕を遺憾なく発揮していたジェリーだったが、選手の家族やファンの気持ちを蔑ろにする売り上げ至上主義に耐え切れなくなっていた彼は、競争社会に反旗を翻すかのような内容を綴った提案書を一晩で作成、あろう事か、同僚たちへの無差別配布を実行してしまう。その大それた行為に後悔した頃には、時既に遅く、然るべく解雇に処されたジェリーは、自身のコネで築いたクライアントも同僚社員に奪われてしまう。やがて、大勢の元同僚が顔を揃える中で、大啖呵を切って新エージェントの旗揚げを宣言したジェリーは、仲間を集う呼び掛けと共に会社を後にするが、全てを失った彼について来たのは、営業とは無関係のシングルマザーの会計嬢ドロシーだけだったーー
Various Note メモ
元々はトム・ハンクスによるジェリー、ウィノナ・ライダーのドロシーと云うイメージで書き上げられたと云うシナリオだが、「すべてをあなたに」の撮影の為にハンクスは辞退、一方、オーディションには出向いていたと云うライダーだが、ハンクスの代役として役を得ていたクルーズとライダーを並ばせた結果、兄妹のように見えると云う事でライダーの起用は見送られている。
そのドロシー役には「ユー・ガット・メイル」のパーカー・ポージーや「コール」のコートニー・ラヴもリストアップされていた。また、ケリー・プレストンが演じるエイヴァリー役のオーディションにはダイアン・レインも参加していた。
今をときめくレニー・ゼルウィガーだが、経済的に窮地に立っていたと云う彼女は、考慮する間もなく本作の出演依頼を受け入れたと云う。ゼルウィガーの人生を変える事にもなったドロシーと云う配役だが、監督のクロウは「アパートの鍵貸します」のシャーリー・マクレーンのようなイメージで取り組んで欲しいと云うリクエストをゼルウィガーに出していた。
89年のクロウ監督作品「セイ・エニシング」にも出演しているエリック・ストルツだが、その配役名は本作と同じ苗字の「Valhere」だった。
スカリーと言うエージェントとして登場するジャン・ウェナーは、クロウ監督が一時期携わっていた有名誌「ローリングストーンマガジン」の発行人である。
本作が公開されるその直前、劇中に登場するデトロイト・タイガースのヘッドコーチは解任となっているが、彼の出演カットでも一切の編集は加えられずにそのままのシークエンスで上映されている。
レイを演じる子役ジョナサン・リプニッキの「人間の頭は8ポンドの重さ」と云うセリフが度々登場するが、元々は、その撮影セットで誰かれ構わずに喋り捲っていたと云うリプニッキ本人の小話のネタだったもので、それを大変面白いと感じたクロウが、ダイアローグに組み込んだものである。また、そのリプニッキがクルーズと居間で会話を交わす場面では、その全てが脚本なしのアドリブで行われている。
数箇所での挿入カットで登場する伝説のエージェント「ディッキー・フォックス」の配役には、自身のヒーローでもある伝説的な映画監督ビリー・ワイルダーに出演を懇願していたと云う監督のクロウだが、劇中、効果的な数カットが挿入されると云うスタイルでの出演にはワイルダー自身も興味を示していたものの、撮影初日の当日を迎えたワイルダーは、その演技を拒否、クルーズも従えてワイルダーの事務所を訪れたクロウの説得工作も不発に終わっている。しかし、ワイルダーとクロウは後に友人関係を築き、クロウはワイルダーの生涯についての本を執筆している。
ポール・マッカートニーの2曲が挿入された本作、空港でのシークエンスで「ママ・ミス・アメリカ」、ジェリーとドロシーが初めてキスを交わす場面で「シンガロング・ジャンク」が流れるが、いずれの曲も、ビートルズが解散し、利権などを巡る慌しい中で、その孤独感に苛まれていたポールの心情を吐露しているとも言われる70年4月に発表されたファーストソロからのチョイスである。実は、楽曲の使用に当たってはポールの事務所にビデオを送って了解を得ていただけのもので、クロウとポールは面談を果たしていなかった。5年後の91年に対面を果す2人だが、その面談は、オスカーにもノミネートされた「バニラ・スカイ」の挿入曲(エンドクレジット)の誕生にも繋がる重要な節目だったと云う訳である。
ドロシー宅で行われている離婚女性の会合で"I finally got in touch with my anger."と云うセリフを意気揚々と話す女性が登場するが、あの赤い花のアクセサリーが付いた黒の帽子を着用している女性は、クロウ監督の母親である。
ドロシーの姉として登場するボニー・ハントとは初共演だと思っていたクルーズは、以前一緒に仕事をしていると云う彼女の話をジョークだと思ったと云う。周知の通り、クルーズとハントは「レインマン」で共演している。
ジェリーとドロシーの二人の関係が結婚を迎える所で終わっても不自然ではないこのドラマ、むしろ、経済的にも窮地に立つような局面で奔走するジェリーが、家庭不和で苛まれると云う設定にはやや理不尽な印象すら覚えてしまったりもするが、ここは、バツイチで子持ちと云うドロシーの負い目を強調する為のモチーフとして活かされている。建前でも本音でも「家庭」と云う概念を大事にする傾向が強いアメリカ人らしさかとも思われる終盤での展開も、実は駄目押しなどではなく、さまざまな側面を持つ「結婚」と云う形で結び付く男女の関係に希望を投げ掛けるものだったように思える。
それにしても、悪女の印象が板についてしまったケリー・プレストンが演じるエイヴァリーは可哀相である。確かに打算的で人情味に欠けるキャラクターではあるが、あれぐらいの打算的感覚は女としては普通だろう。大学時代のレズ体験などを聞かされた日には引いてしまうと云うのも分からなくはないが、彼女は彼女なりに前向きな人生を歩み、真剣にジェリーを愛していたとしか思えないからである。いっその事、ジェリーが解雇された時点でボブ・シュガーと関係を持ってしまうと云った尻軽キャラクターとして描いていればスッキリしたと思うのだが。
普遍的なテーマをお決まりの展開で描いているような作品だが、どん底に落ちた人間が真剣に生きようとする様は何度観ても感動出来るもので、何より、トム・クルーズやレニー・ゼルウィガー、キューバ・グッディング・ジュニアの魅力を最大限まで引き出している演出は見応え充分である。見た目の容姿は平均的と云った印象のレニー・ゼルウィガーだが、ここでも男に愛される女としての本質的な魅力を発揮、後の大成功にも頷ける。96年度の米アカデミーでは、キューバ・グッディング・ジュニアが「助演男優賞」を獲得。



製作スタッフ
Staff
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
脚本と監督
Written & Directed by
キャメロン・クロウ
Cameron Crowe
セイ・エニシング Say Anything...
シングルス Singles
製作
Produced by
キャメロン・クロウ
Cameron Crowe
* 脚本と監督も兼任
ジェームズ・L.ブルックス
James L. Brooks
愛と追憶の日々 Terms of Endearment
ローズ家の戦争 The War of the Roses
リチャード・ササキ
Richard Sakai
恋愛小説家 As Good as It Gets
ローレンス・マーク
Laurence Mark
ガンメン Gunmen
カットスロート・アイランド Cutthroat Island
撮影
Cinematography by
ヤヌス・カミンスキー
Janusz Kaminski
シンドラーのリスト Schindler's List
キルトに綴る愛 How to Make an American Quilt
ロスト・ソウルズ Lost Souls (Director)
編集
Edited by
ジョー・ハッシング
Joe Hutshing
JFK JFK
ブロークン・アロー Broken Arrow
美術
Production Design by
スティーヴン・ラインウィーヴァー
Stephen Lineweaver
ボーイズ・ライフ This Boy's Life
ジュニア Junior
衣装デザイン
Costume Design
ベッツィ・ヘイマン
Betsy Heimann
レザボア・ドッグス Reservoir Dogs
ゲット・ショーティ Get Shorty
音楽監修
Music supervisor
ダニー・ブラムソン
Danny Bramson
きっと忘れない With Honors
NY検事局 Night Falls on Manhattan
挿入曲
Various Music
The Magic Bus - The Who
Sitting Still Moving Still Staring Outlooking - His Name Is Alive
Gettin' In Tune - The Who
Pocketful Of Rainbows - Elvis Presley
World On A String - Neil Young
We Meet Again (Theme From 'Jerry Maguire') - Nancy Wilson
The Horses - Rickie Lee Jones
Secret Garden - Bruce Springsteen
Singalong Junk - Paul McCartney
Wise Up - Aimee Mann
Momma Miss America - Paul McCartney
Sandy - Nancy Wilson
Shelter From The Storm (Alternate Version) - Bob Dylan
キャスト
Cast
配役
Plays
関連作品 (抜粋)
Related Works "excerpts"
トム・クルーズ
Tom Cruise
Jerry Maguire ア・フュー・グッドメン A Few Good Men
インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア
 Interview with the Vampire: The Vampire Chronicles
キューバ・グッディング・Jr.
Cuba Gooding Jr.
Rod Tidwell ジャッジメント・ナイト Judgment Night
アウトブレイク Outbreak
レニー・ゼルウィガー
Renee Zellweger
Dorothy Boyd リアリティ・バイツ Reality Bites
エンパイアレコード Empire Records
ケリー・プレストン
Kelly Preston
Avery Bishop ツインズ Twins
フロム・ダスク・ティル・ドーン From Dusk Till Dawn
ジェリー・オコンネル
Jerry O'Connell
Frank Cushman スタンド・バイ・ミー Stand by Me
カレンダーガール Calendar Girl
ジェイ・モーア
Jay Mohr
Bob Sugar スモール・ソルジャーズ Small Soldiers
ディーン・クーンツのブラック・リバー Black River (tv)
ボニー・ハント
Bonnie Hunt
Laurel Boyd デーヴ Dave
ジュマンジ Jumanji
レジーナ・キング
Regina King
Marcee Tidwell ポエティック・ジャスティス 愛するということ Poetic Justice
friday Friday
ジョナサン・リプニッキ
Jonathan Lipnicki
Ray Boyd リトル・ヴァンパイア The Little Vampire
スチュアート・リトル Stuart Little
ドナル・ローグ
Donal Logue
Rick,
Junior Agent
ブレイド Blade
レインディア・ゲーム Reindeer Games
マーク・ペリントン
Mark Pellington
Bill Dooler 隣人は静かに笑う Arlington Road
プロフェシー The Mothman Prophecies
グレン・フライ
Glenn Frey
Dennis Wilburn * イーグルス
ハリー奪還 Let's Get Harry
エリック・ストルツ
Eric Stoltz
Ethan Valhere セイ・エニシング Say Anything...
シングルス Singles
ルーシー・リュー
Lucy Liu
Former Girlfriend チャーリーズ・エンジェル Charlie's Angels
キル・ビル Kill Bill: Vol. 1
カタリーナ・ヴィット
Katarina Witt
Herself * 元フィギアの女王
RONIN Ronin
ボー・ブリッジス
Beau Bridges
Matt Cushman
(uncredited)
* カメオ出演
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 The Fabulous Baker Boys
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