Introduction 序盤アウトライン: |
トランシルバニア王国の王女ルナ姫は、自身の搭乗するジェット機が墜落する際に、宇宙のエネルギー生命フロイの声をキャッチ、それは、地球上のエスパーたちと団結して、宇宙の破壊者である幻魔の手から地球を救えと云うメッセージだったーー 東京。野球部のレギュラーからも脱落し、彼女ともうまく行かない丈は、彷徨うように新宿をうろついていた。そこへ突如、得体の知れぬサイボーグ戦士が出現、不可思議な事に、石のように動かなくなった周囲の通行人を掻い潜り、建築中のビルの屋上に逃げ込んだ丈だったが、四面楚歌の状況に陥った事で、自身でも気付いていなかった驚異の力が遂に発揮されるのだったーー |
Various Note メモ: |
公開以前には、石森章太郎の作画による原作漫画がどのような変貌を遂げるのかと云う話題も尽きなかった作品だが、個人的な最大の関心事と云えば、キース・エマーソンがスコアを手掛けると云う事に尽きていた。エンドクレジット背景の「光の天使」も秀逸だが、丈と三千子が遊園地を浮遊するシークエンスに流れるエマーソンのサウンドは忘れられない。エマーソンが十八番とするペンタを基本とするブルージーな「ソニーのテーマ」も印象的。 |
サントラLPは、劇場へ足を運ぶ大分以前から聴き漁っていたが、取り分け嬉しかったのは、「SHOUGUN」での活動や数多くのスタジオワークで著名だったギタリストの吉野藤丸と、スクエアでの活動を経て81-84年に和田アキラ率いるプリズムに在籍していたタイコの青山純が、プログレ界きっての名物鍵盤奏者エマーソンとの競演を実現させたと云う事だった。幻魔とのクライマックスを迎える際に流れる「地球を護る者」では三者の競演が充分に堪能出来る。吉野氏のギターソロも魅力充分で、青山氏のタイコのルーズなチューニングは、ポルタメントも多用するエマーソンのムーグサウンドにも絶妙にリンクしている。 |
72年初夏、後楽園でのELP来日コンサートにも足を運んだと云う吉野氏だが、そのインタビューが、なかなか興味深かいものだった。ジャズの世界に生きていればモード等のスケールに対して使えるコードのチョイスなどは容易な事だが、エマーソンは自ら実践していながらも、そのテンションを含むコードのヴォイシングが判別出来なかったと云うのである。云うまでも無く、吉野氏が言うコードとはトライアドや属7などの事ではなくテンションを含むものを指している訳だが、当のエマーソンの方はと云えば、吉野氏と青山氏の技術は予想外の驚きだったとコメントしていた。 |
いつだったか、衛星放送でオンエアされていたMISIAのステージで青山氏がタイコを叩いていた。また、青山氏がウタバンとして参加していた山下達郎氏も旧盤を再リリースと、元気ハツラツなようで嬉しい限り。山下氏は70年代当時よりラーセン=フェイトンの前身であるフルムーンに影響を受けていたと云う数少ない日本人アーティストだが、今では、山下氏が主題曲を担当する「名探偵ポワロとマープル」のマキシシングルを小中学生が喜んで聴いている。月日が流れるのも瞬く間と云った所。 |