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The Kingdom
キングダム 見えざる敵 (2007) USA / GER 110 min.
Introduction 序盤アウトライン
サウジアラビア。石油企業関係の米国民間人が多数居住する外国人居住区で大規模なテロ事件が発生する。FBI捜査官も含む300名超の死傷者を数える大惨事に発展する中、4名のエキスパートを現地に派遣したFBIだったが、それは米司法省とも袂を分かつ5日間限定での半ば非公式での強行捜査だった。捜査への関与も事実上拒否される中、非協力的な現地警察との不協和音に苛立ちを募らせる4名だったが、やがて現地での中傷に苛む捜査責任者や王室を味方に付ける事で事件の核心に迫るのだがーー
Various Note メモ
4名のFBI捜査官による異国での孤立無援の闘いを描く。テロップによれば、96年6月25日、中東サウジ・ダーランでのホバルタワー爆破事件にインスパイアされた脚色との事だが、これは、ホバルタワー爆破事件に次ぐサウジでの大規模テロとして知られる2003年5月12日リヤドでの合成物爆破事件、2004年5月29日ホバルでの大虐殺など、全てが下敷きにされた内容。脚本は「大いなる陰謀 (2007)」のマシュー・マイケル・カーナハン(Matthew Michael Carnahan)。監督は「ベリー・バッド・ウェディング (1998)」「ランダウン ロッキング・ザ・アマゾン (2003)」「プライド 栄光への絆 (2004)」「ハンコック (2008)」のピーター・バーグ(Peter Berg)。ちなみに監督のバーグは、本作の製作を手掛けたマイケル・マンの監督作品「コラテラル (2004)」や「大いなる陰謀(2007)」「コップランド (1997)」などメジャー作品での役者キャリアでも知られる人物。ネタがネタだけに従来のエンタメアクションのようなカタルシスには到底浸れないものの、これは近年でも出色の内容。アクションシークエンスの演出は取り分け絶品。「ハンコック (2008)」でのバーグの抜擢にも頷ける。
主演は「エニイ・ギブン・サンデー (1999)」「ALI アリ (2001)」「Ray レイ (2004)」「コラテラル (2004)」「ジャーヘッド (2005)」「ドリームガールズ (2006)」のジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)。共演は「アメリカン・ビューティー (1999)」「ボーン・スプレマシー (2004)」「アメリカを売った男 (2007)」のクリス・クーパー(Chris Cooper)、「エレクトラ (2005)」「エイリアス (2001-2006)(TV)」「JUNO ジュノ (2007)」のジェニファー・ガーナー(Jennifer Garner)、「JUNO ジュノ (2007)」「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい (2007)」「ハンコック (2008)」のジェイソン・ベイトマン(Jason Bateman)、「シリアの花嫁(2004)」「パラダイス・ナウ (2005)」のアシュラフ・バルフム(Ashraf Barhom)、「シリアの花嫁(2004)」「パラダイス・ナウ (2005)」のアリ・スリマン(Ali Suliman)、「ニューオーリンズ・トライアル (2003)」「トゥー・フォー・ザ・マネー (2005)」「スモーキン・エース 暗殺者がいっぱい (2007)」のジェレミー・ピヴェン(Jeremy Piven)、「シックス・フィート・アンダー (2001-2005)(TV)」「スタンドアップ (2005)」「ブロークン (2008)」のリチャード・ジェンキンス(Richard Jenkins)、「トゥモロー・ワールド (2006)」「マリー・アントワネット (2006)」「ナンバー23 (2007)」のダニー・ヒューストン(Danny Huston)、他。

以下、完全ネタバレ。未鑑賞の方はご留意下さい。
エンドロールでは96年ダーランの事件にとどまるアナウンスだが、恐らくはここでの映像化と云うのも、石油企業の関係者がターゲットにされた04年ホバルでの大虐殺が引き金だったもの。そんな多数の民間人が犠牲になる冒頭からダーランやリヤドでのテロを再現する爆弾テロへと続く地獄絵図には只々絶句させられる。というか、3つの事件を1つのシークエンスに集約させる凄まじいイントロなど全くの予想外。かなりヘコまされた。招かれざる客として少数精鋭のFBI捜査官が現地に乗り込む中、幾多の困難をも乗り越えて僅か数日間で事件を解決に導く大胆な脚色は、終わってみればエンタメ色も満開の内容だったが、何れにせよ、ここでのインパクトはあまりにデカイ。
個人的には、オイルの輸出とサッカーのアジア予選、ビンラディンの出生国である事でしか名前を知らぬような中東サウジを舞台にするアクションなど想像も出来なかったが、そもそもの話、プロットの下敷きとなったサウジでのテロ事件で精通できていなかった中では一連の衝撃も無理のない話。正直、贅沢三昧の王族だけしか居ないようなイメージのサウジの治安の悪さをアピールするスクリプトなどにも驚かされたが、要は、オイルマネーで潤う成金国家を舞台にする本格アクションと云うのも全くの初モノだったと云う話。ライアンvs麻薬カルテルを描く「今そこにある危機」も凌駕する市街地での銃撃戦はもとより、エイリアスやエレクトラでもおなじみのジェニファー・ガーナーの超絶アクションなど、矢継ぎ早に繰り出される一連のアクションではその舞台も忘れてしまったほどだったが、やはりネタがネタだけにカタルシスなどは皆無。憎しみの連鎖を描くスクリプトについても、当事国のオーディエンスにとっては多大な不満が募ったようだが、これも妥協点を見出す事もほぼ不可能な現実を踏まえれば当たり前の話。欧米と中東の関係を多角的かつイーヴンに描くハリウッド映画など端からあり得ないのだ。
クレジットによれば、ここでの撮影はアリゾナでのセット撮影や中東UAEでのローケーション。グラップラー系の登竜門アブダビコンバットや摩天楼タワーの建設でも知られるUAEについては個人的にも予てから興味があったが、何れにせよ、裕福とされる中東社会での庶民レベルにまで視線を下ろすここでのスクリプトは面白かった。報道規制も敷かれる中、ここ日本では詳細を知る事も難しい中東を舞台にするテロだが、そんな現実を怒涛の映像で見せられただけでも意義はある。実際、サッカーの予選などでサウジに向かう日本チームに不安を抱いた事など一度たりともなかったが、今後の見方も少しは変わる。と云うか、米国製の起爆装置を手にした原理主義の一団が米国をターゲットにするテロの作品などを目の当たりにすれば、意見を挟む余地もなし。
参照

1996年6月25日、ダーラン(Dhahran)でのホバルタワー爆破事件
(The Khobar Towers bombing)

19名の米国空軍兵士が犠牲となった事件。高純度のプラスティック爆弾を搭載したトラック爆弾によるテロ。作品のエンドロールでも犠牲者の方々の名前がクレジットされる。
http://en.wikipedia.org/wiki/Khobar_Towers_Bombing

2003年5月12日、リヤドでの合成物爆破事件(Riyadh compound bombings)
35名の死者と160名超の負傷者を数えたテロ。
http://en.wikipedia.org/wiki/Riyadh_compound_bombings

2004年5月29日、ホバルでの大虐殺(Al-Khobar massacres)
2つの石油工業施設と外国人労働者の住宅複合体(Oasis Compound)を攻撃したテロ。
http://en.wikipedia.org/wiki/29_May_2004_Al-Khobar_massacres



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